今この漫画が熱い(自分の中で)2

 今この漫画が熱い(自分の中で) - ここにいないのはで今はまっている漫画を適当にあげましたが、その第2弾です。更新ネタがないわけではなくて、『ヴァンパイア・サマータイム』の感想とか、『いま集合的無意識を、』の感想とかありますが、いまいち筆が乗らないので、リハビリがてらまた適当にあげてみました。

  • ℃りけい。

既刊:5巻まで

 kindleで1巻が安売りしていた際に購入したのですが、はまってしまい一気に5巻まで購入してしまいました。
 地方に住む理系の女子高生たちの日常を魅力たっぷりに描いています。その日常は、ホームセンターに通ったり、ピタゴラスイッチを作ったり、石投げしたり、文化祭で回転すしを作ったり、東京に行ったりします。高校生らしい生活で、波乱万丈のイベントはないのですが、切り口が良いため飽きたり冷めたりせず読み進められます。というのも、理と利で割り切る中に、理系ならではと女子高生ならではのこだわりにより効率的でない面が顔をのぞかせる塩梅が巧みなため、"理系の女子高生"が楽しむさまを楽しめ、"理系の女子高生"自体をも楽しめました。
 1巻からほぼ形式は完成しているため、まずは1巻から是非読んでみてください。

  • ひとりぼっちの地球侵略

既刊:3巻まで

 ちまっと可愛い絵で少女と少年の異星侵略を描くボーイ・ミーツ・ガール。ストーリーはよくあるような感じで、力の源を少年が得たので力が衰えた少女とともに異星人と戦いつつ、地球を支配するのを手伝っていく――というような内容。キャラクタとシチュエーションの上手さによりそんじょそこらにはない魅力がある少年漫画になっていました。
 まずはヒロインについて。テンション高めの異星の美少女ヒロインの造形はかなり良くできていました。些細なことではしゃいだり、どうでもいい日常を楽しんだり、何を考えているのかよくわからず、じつは裏表がないんじゃないかという猫のような性格が素晴らしい。それに黒髪ショートで貧乳を表紙絵からわかるようなとんでもなく可愛い絵で描くのだから正義というしか言いようがありません。
 次にシチュエーションの描き方の上手さについて。初登校で変なお面をかぶった少女に追いかけられたり、異星の生物の背中乗って空を飛んだり、学園祭の準備をしている夜の校舎で戦ったり、絵になるシチュエーションが多いのですが、それだけではなく小さなコマで無理なく段階を踏まれることで、見栄を切る大コマでの躍動感につながっていました。その仕掛けに心をつかまれたのは第1巻、最初の盛り上がりのこと。
 
 続く言葉は、

 だってあなたは私の心臓を持っているんだもの!
 これはきっと宇宙であなただけにしかできないこと。
 特別なの!
 ねぇ、私の仲間になってちょうだい。
 きっと楽しいし とても素敵なことに違いないわ!
  (1巻 P56-57)

 心臓を狙ってきた異星の美少女に輝く目でこう叫ばれるのです。――その至極。
 最新刊ではわくわくの三角関係ですし、つぼをおさえたストーリーテングに今後も目が離せません。

既刊:12巻まで

 トルキエ歴75年、遊牧を柱とするトルキエ将国は農耕を柱とするが故に領土を広げざるを得ない軍事大国・バルトライン帝国の侵略を受けた――。骨太の異世界戦記物です。
 最年少の将軍マフムートを主人公に、商業と農業とを包括した戦略を立てて軍事的には劣る国を相手にした戦争の醍醐味が味わえます。戦略がきちんと書かれ、絵は煌びやかで迫力があり、キャラクタは活き活きとしている、とほぼ欠点はありません。
 12巻とそれなりに巻は重ねていますが、最新刊でとうとう正面を切った衝突が始まったぐらいであり、物語はようやく佳境に入りかけた頃でしょう。なのでまだまだ間に合います。12巻まで買って、休みを費やして一気に読むことをお勧めします。戦記物が好きなら間違いなくはまることでしょう。