BackStage 感想

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 高校時代に出会った先輩に魅入られ、俳優の道を選んだ主人公。その先輩から演劇のキャスト兼まとめ役に誘われ、劇団員であるグラビアアイドル、声優、ダンサーetcと共に劇を作り上げていくことになる、という内容。
 印象を一言で言い表すなら、


 あっまーい!
 

 となるバカップル万歳三唱なシナリオです。どれもこれもかなりのレベルに達していて、そういう類が好きならにやにやが止まらないでしょう。


 逆に演劇に関してはそこそこ程度に止まります。しかしオリジナルの劇中劇とせず、あえて星の王子様、天守物語という超メジャーを選ぶことで、プレイヤーを置いてきぼりにしないようにしたのはプラス評価でした。
 とあるヒロインが

 「昔のあなたは、もっとギラギラしてた。傲慢なぐらいに」

 と語った序盤における主人公の他人を省みない役者一筋の傲慢さをシナリオ上で魅力的に描けていたらまた別の評価となったかもしれません。
 が、そうなるとラブコメ部分が抑圧されてしまったでしょうし、バランスが難しいところです。


 絵は普通だと思うのですが、何故か主人公の体だけ極端に崩れています。


 音楽・システムも共に普通。

 
 以上。BackStage ErogameScape−エロゲー批評空間−を見て、だまされたと思って購入したのですが、思わぬ当たりを引きました。


以下は個別シナリオについて簡単に。
 水鏡京香。天才性の発露によって主人公を俳優の道に進ませながら、本人は俳優ではなく演出家を選んだため、主人公は色々と屈託を持っています。その原因を知る一連のシーンは青春物の定番として感動しました。ただしこのシナリオには大きな傷があって、京香が主人公を好きになる過程がさっぱり判らないのですがね。
 水鏡沙織。小動物系の妹キャラとでれでれ。
 二ノ宮アリス。キャラクタとシナリオ共に良質なテンプレ・ツンデレ。付け加えるならエロい関係になってからのはっちゃけ具合は楽しめます。
 上山ゆとり。売出し中のグラビアアイドル。個別ルート序盤をご覧あれ。奇天烈意味不明な山とオチがあります。流行ったヤンデレと見せかけようとしたとしたら非常にユニークとしか言いようがありません。二次元的にも三次元的にもふわふわとした体型を目前にした主人公の性的な堕落は笑えました。
 久瀬安美。ロリ巨乳のダンサー。性嗜好に一癖あるというか、M的というか、他のシナリオと一線を画していて“うちの妹の場合”のシナリオライタだと納得する次第でした。

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 OHP-TJR
 図書カード:天守物語