中2の少年・佑は隣に住む高2の少女・心愛の元に映画を一緒に見るという口実で通い詰める。隣のお姉さんは何を考えているかわからないままに――
『好きな子がめがねを忘れた』シリーズの作者による新シリーズ。中2男子が高2女子に熱を上げる年の差ラブコメです。
(1巻 kindle No.12)
隣に住む年上の幼馴染で一緒に遊んだりはしていたけれども内面は良く知らず、でもいつしか好きになってしまっていた佑くん。そんな彼の、あのひとがわからない、あのひとを知りたいという少年の悶絶と渇望とが入り乱れていきます。
この少年の初恋を前にした混乱が活き活きと伝わってきて、これが本当に面白んですよ。
ちょっとした笑顔や仕草にどきどきする、おっこれは好感触では、いや自分が「好き」だと伝えても子供と思われ相手をされていないんじゃないか、近づいたと感じたら「わかった気にならないでもらえます!?」と返してくるは翌日には何もなかったように接してきたんだけど、ああわからない!
(1巻 kindle No.123)
佑の性格は基本アホで妙にポジティブ(自分がもてるとか)と育ちと周囲の環境がいいことがわかるイイ子なので、行き場のない答えが簡単に与えられないぐるぐるした感情に悶える様がこれまた妙にツボにはまっています。
そしておそらくは普通の悩みがある少女たる心愛がわからない対象としている視点を通していることによって、特権性のあるヒロインになっているのはもうこれぞ語りと視点で最高にラブコメしていると言っても過言ではないでしょう。
以上。こういうのもイイという良質のラブコメでした。続きを楽しみにするシリーズがまた増えて嬉しい限りです。
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