〈時間SF傑作選〉ここがウィネトカなら、きみはジュディ 感想

 大森望による時間SFのアンソロジー。有名所の傑作から古典的な作品まで勘所を抑えたバランスの取れたアンソロジーでした。
 個人的には戦場と非戦闘区域との時間の流れの差がそのまま名詞の長さに到るまでの濃縮を産む傑作『旅人の憩い』、少し下品で切ない痙攣的な時間SF『彼らの生涯の最愛の時』あたりがお薦めです。
 個々の短編の感想は→ここがウィネトカなら、きみはジュディに関するつぶやきまとめ - ここにいないのは


 ただ時間SFのアンソロジーとしては『時の娘』の方が好みかなーと。『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』の方がエンタメはしているのですが、『時の娘』の落ち着いたセンスが性に合いました。や、単に私の感性が古いだけですが。


 以上。兎も角も、時間SFの好きは必読の1冊が生まれました。

  • Link

 参考-時の娘 感想 - ここにいないのは


ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)
テッド・チャン クリストファー・プリースト リチャード・A・ルポフ ソムトウ・スチャリトクル F・M・バズビイ イアン・ワトスン ロベルト・クアリア ボブ・ショウ ジョージ・アレック・エフィンジャー ロバート・シルヴァーバーグ シオドア・スタージョン デイヴィッド・I・マッスン H・ビーム・パイパー
早川書房
売り上げランキング: 987