TRPG愛好者だった主人公が異世界転生をし、熟練度を自由に割り振ることが出来る権能を得た。彼は心の赴くまま、膨大な数のスキルをビルドして生きていくことになる――
というなろうで連載されているネット小説を書籍化したライトノベルシリーズ。
1巻が電子書籍でセールされていたので購読しましたが、思わぬ当たりを引いた次第。最新刊の2巻まで一気に読み進めました。
さて何が自分にとって嵌ったのでしょう。
文章は悪くなかったです。主人公がごちゃごちゃと考えて世界のルールを解明しようとしたり、自分に突っ込みを入れたり、スキルビルドで悪さしようとしたりといった内省的な部分がそれなりを占めながら、その筋道自体を楽しく感じさせるぐらいに読ませるものでした。
ルール/システムも奇抜なところはありませんでしたが、だからこそ一人のアホうなプレイヤによってハックされていき固定値が破壊的に高騰する時の爽快感が理解しやすくなっていました。
ただこれぞと言えば"性癖"かと。
具体的には、異種姦・・・とまではまだいかないので、異種間交流となります。
なにせ1巻で出てくる幼馴染ヒロインの種族は――アラクネ。人の上半身、蜘蛛の下半身の亜人。
マルギットという名のアラクネは主人公を狩る対象の雄としてロックオンします。
どうやら彼は囁かれるのに弱いらしい。その度にぞくぞくしているのを、密着している彼女が逃すはずもない。
恋愛もまた狩りなのだ。特に本能が亜人よりも魔種寄りで、狂気に親しみ易い蜘蛛人にとっては。
だから〝これは私の獲物〟と示すように彼女はエーリヒに飛びつくのだ。彼の体温が心地好く、キトンブルーの澄んだ目が驚くのが楽しいのもあるが、一番はその充足感と安心感を得るために。
(TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す1 ~ヘンダーソン氏の福音を~(オーバーラップ文庫)(Kindleの位置No.1759-1763).)
狩人の家系による隠密行動で密かに近づいてきて、妖しく光る視線と絡みつく体躯で逃がさないように迫るのが、年月を経るにつれてエスカレーションしていく幼馴染のカンケイ。
男女のあるいは雄雌の罠とおおよそ理解しながら、逃れられず逃れる気もない、甘美なやり取り。
属性で言えばヤンデレ系統なのですが、異種ならではの肉感が合わさって実に良い塩梅になっていました。
そして2巻ではイタズラ好きの妖精に好かれてタイヘンな目にあいますし、異種からのアプローチに振り回される快楽を存分に提供してくれます。
今後も肉体および精神のいずれも異種たる美しい存在に翻弄されて欲しいところかと。
まあほら、主人公が辛いハーレムって・・・良いですよね。
以上。異種恋愛物として非常に優秀でした。今後の展開も楽しみです。
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HP-TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す ~ヘンダーソン氏の福音を~|株式会社オーバーラップ