ゴーゴーダイナマイツ 1-3 雑感

 『父とヒゲゴジラと私』を読んで漫画家小池定路を好きになったので、安売りを契機に前シリーズも手に取ってみました。
 それで今まで読んでこなかったのを後悔した次第。
 これまた実に面白い。あくまで王道なのですが、独特な良い味を出していました。


 ジャンルはチア部を舞台にした群像劇の4コマストーリー漫画。
 筋は廃部になったチア部を新任女教師が個性的な面子を集めて復興していく――という部活物。繰り返しますが、もうほんと王道です。
 元空手部で運動神経抜群だけど変人な赤根梨子。
 元体操部でネガティブな性格の黄咲かなえ。
 元レスリング部の脳筋な青海涼花。
 アイドル志望で自己中心的な桃園杏奈。
 元バレエ部の王子様気質の緑沢真乃。
 元新体操部で黒一点の灰崎夏樹。
 6人の高校生らがチア部として演技を上手くなるため切磋琢磨し、友情・将来・恋愛――思春期を一喜一憂していきます。



   (1巻、P35)
 ばらばらだった面々が、

   (3巻、P65)
 まあ紆余曲折あって、何とか形になっていくのを読んで行くのが実に楽しいですね。
 脇役の面々も素直になれない副顧問を筆頭に皆質感のある良い人々として描き、イベントイベントも陽性なので読んでいて嫌な気分になることはありませんでした。
 アクの強いけどこれだけは負けない尖った点とか、凄い強みがある訳ではないですが、作品から醸し出される空気感は評価したい持ち味かと。


 絵は当然素晴らしく、描きこんだものもデフォルメされたものも全部可愛らしかったです。
 梨子の表情を追っていくだけでも眼福でした。 


 なお後書きからすると打ち切られたっぽいですが、何ででしょうかね。今出版されている父とヒゲゴリラと私が面白いから良いですが、いつか2nd seasonとか始めてほしい所です。


 以上。打ち切りくさいといっても3巻で綺麗にまとまっているので逆に薦めやすい分量となっています。未読の方はぜひ。

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