上野さんは不器用3 雑感

 科学部を舞台に、天才だけども極度のヘタレな部長・上野さんが後輩・田中くんに発明品で迂遠にアプローチするというラブコメシリーズの第3巻。
 

 このシリーズを便宜上ラブコメと銘しました。恐らくは間違いではないのですが、ラブ側とコメディ側で言えばコメディの方に大きく傾いています。
 何気に世紀の発明レベルの凄いものを使った下ネタをシュールさと勢いで流すというのがおおよその短編の展開です。なので基本「しも」の話なのですが、不快な下品さはあまり感じません。下品は下品なのですが、上野さんの想像を超えてくるヘタレさと、田中くんのアプローチに全くなびかないぶれなさというキャラの魅力で不思議に気持ちよく笑える読感となっています。
 あとお色気シーンはフェチ色が強すぎる上に愛嬌があって幾らでも眺め続けたい吸引力がありました。――例えば2巻の山下さんのおもらし大好きです。
 2巻から積極的にいれてくるようになったサブキャラもまた魅力がありますし、追っていきたいシリーズかと。


 さて、3巻の本作も、どんな場所でも空気椅子ができるブルマとか、素材にナノマシンを使って切られても修復力があるスカートとかで、上野さんは田中くんを性的に盛り上げようとし、盛大にからぶりながら自爆していく様をによによと楽しめます。
 目論見が上手く行って、ヘソをいじらせたりツイスターゲームをしたりしても、あと5歩くらい前でヘタレたり、実際やっていることの下ネタっぷりに我に返って逆上する上野さんがほんとうに可愛い。


 しかし、ですね。
 本作で一番心にぐっときたのは、上野さんの乙女な仕草や、あるいはクールな山下さんの意外な艶姿ではありませぬ。
 2巻が初出の水泳部部長の北長さんの一コマ。スクール水着を転送させられ、濡れた裸の上にタオルを巻いて現れて曰く、
(P69)
 かーーーっ。
 堪りません。エロい、可愛い、お姉さんぶる! 3拍子揃って大好きです。


 以上。今後も新刊を楽しみにしています。

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