FINAL FANTASY XVI 雑感

 FFシリーズ7年ぶりのナンバリング新作のアクションRPG
 発売日に購入し、プレイ時間75時間ぐらいで全サブクエと全リスキーモブを倒して1周が終わりました。


 まず前作FF15は嫌いになれませんでした。車に乗ってラジオ流しながら道路を走るオープンフィールドとか、男4人で婚前にモラトリアムとしてわいわい旅する空気とか、勝手に写真を撮られていてこんなとこ撮ってたんだという笑いとか驚きで記憶を記録として残せるシステムとか、好きな要素はちょこちょこありました。ただ面倒くさいお使いサブイベが多くて、ロードが長くて、後半に行くほど残念になるシナリオとかったるい13章とかで評価を落とさざるを得ず、そしてDLCをきちんと最後までゲーム化できなかったのが遺憾の意。あの小説をきちんとゲーム化していたら、最後はヨシとして大いに評価出来たんですけど、そうはならなかったんですよね・・・。

 FF14は評判のようですが完結しているわけではなく、個人的にはFF16は上手く作品を閉じてくれるのだろうか、という非常にハードルが低い懸念を持ってプレイにあたった次第になります。


 さて。1周した全体の印象としては、まあ楽しかったかな、となるでしょうか。

 おそらく万人向けとしてアクションの難易度はかなり低めに設定されています。アクションフォーカスでも基本的には気持ちよく敵を倒していけます。パリィとジャスト回避でお手軽にスタイリッシュなアクションが出来ますし、召喚獣のスキルを付け替えて派手な攻撃を繰り出せますし(ライトニングロッド+斬鉄乱舞の心地良さよ)、成功するとシステム上の評価が何回も出てきて気持ち良くなります。
 アクションの難易度はとにかくクリアさせるように設定されているので、そこをとやかく言うものではないですし、目論見通りのレベルをきちんと達成できています。
 ただ唯一、大いに言いたいこととしては、負けてすぐその戦闘をリトライするときに勝手に難易度を下げるんじゃない!になります。長い戦闘の途中で負けた時に一からやり直すのはかったるくてリトライせざるを得ないのですが、リトライした際の戦闘の触感が如実に落ちるのは体験としてあまり心地良いものではありませんでした。や、負けたこちらが悪いのですし、詰まらないようにしてくれているのですが、せめて難易度を落とすかどうかを選ばせてほしかったですね。

 売りの一つである召喚獣バトルはド派手でやりすぎなぐらいにやりすぎで、あの召喚獣を操作できて万単位のダメージを出せるというのはファイナルファンタジーでしか味わえない体験となっていました。
 極地なのはバハムート戦。なんだこれとテンションバカ上がりでした。
 でかい図体同士なのに画面の情報量が多くて、ハイスピードで、たまになにやっているのかやらされているのかわからなくて困るんですが、そのわけのわからなさもまた楽しいものでした。
 難点としては繰り返しプレイにあんまり向かないことですかね。もう一度あの戦闘をやれと言われてもかったるい・・・。2週目あるなら自動でさくっと終えてほしいですね。

 あとシステム上の要望言うなら、ファストトラベルのポイントがもっと多く欲しかったです。クエストの目標地点とかリスキーモブの発生地点がファストラベルのポイントから絶妙に遠く、無駄な移動時間は嫌でした。
 それとチョコボに乗らない歩行の移動速度をもっと速くしてくれるかダッシュを任意でさせてくれとか、リスキーモブのボードはいつでも見れるようにしてほしいとか、細かいところはありますが、それはどんなゲームでも大なり小なりあるでしょう。

 シナリオは重苦しく遊びが少なかったです。
 メインでもサブでも様々な形で人の行動はその時代の社会常識や人間関係のしがらみで強いられ抑圧されるのを見せ、それでも何をなすかの選択がその人物の意思とその人物の自由の発露となる――というのがラスボスとの敵対まで貫かれます。主人公・クライブを通して世界の重大な選択をするロールプレイングとしてきちんと完成していました。FF15を思えば、本当に良かったですね。
 サブクエで一番好きだったのはトルガルのもの。人語を発しなくてもかつて楽しかった思い出を大切にしてくれているのが確かに伝わってくる良質な人と獣との絆であり、素直に感動しました。
 隙あらば横にある最大手を狙ってくる狼とかあまりにも強い弟とか男どもを押しのけるほどの存在感はありませんでしたが、ジルは気品のある薄幸のヒロインとしてなかなか好感度が高かったです。攫われたシーンで強く思ったのですがいい感じに寝取られが似合いそうですね。

 最後になりますが米津玄師さんの歌の作品に対する解像度はやっぱり凄いですね。
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 ここまで美しいクライブとジルの唄を歌ってくれるとは、お見事です。


 以上。何週もしたいゲームとしての執着は得なかったですが、1回きりのアトラクションのゲーム体験としては楽しめました。

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 OHP-FINAL FANTASY XVI (ファイナルファンタジー16)| SQUARE ENIX