ゆきこいめると 感想

  • 総評

 寒いのが苦手な主人公が雪国の学園に転校してきて、ふとしたことから冬を楽しむふゆ部に入部することになり、美少女たちとの騒がしい日常に巻き込まれていく――

 
 という冬物のラブコメ
 雪合戦したり、雪の像を作ったり、かまくら作ったり、橇にのったり、アクティブに動く一方、美少女たちしかいない温泉宿を改造した寮で鍋したり、こたつに入ってテレビみたり、温泉につかったり、まったり過ごしたりもする。
 ちょっと変わった部活物にありがちな無意味なアッパーさとか無理やりテンション上げていく不自然さもなく、何気なく過ぎていく日常に自然に入り込め、じんわりと心が温かくなります。 
 ヒロインたちの性格も皆陽性であり、結構騒がしくてノリが良いけど、節度と思いやりを忘れない品の良さがありました。
 そしてどのヒロインとのルートも丁寧に醸し出される上質な雰囲気をぶち壊すシリアスの谷も山もなく、恋愛に至るまでのトキメキか、性交に至るまでのドキドキとか、性癖と性欲をぶちまける甘ったるさとか、そんなエロ有りラブコメを存分に楽しめました。
 全てひっくるめて、プレイしながら、ああ今自分は良いエロゲをしているなあ、とかなり満足していましたね。
 さて次にヒロイン毎のちょっとした感想を書いておきます。順番は好きな順です。

  • 白雪姫

 大の冬好きであり、主人公を冬好きにさせようと力強く押してきます。無表情で動じないマイペースな性格であり、どういう風に恋愛が進んでいくのか気になっていました。
 しかしルート選択してびっくり。割と一目惚れに近いチョロインなのでした、まる。

  • 烈風寺嘩音

 何をしでかすかわからないトラブルメイカー的な立ち位置の後輩。男の子らしさと人懐っこさが先行し、気の置けない付き合いが出来る距離にあっと言う間に詰めてきます。しかし騒がしいだけではなく、踏み込んでみて判る乙女らしさが魅力を一層増していました。
 シナリオは嘩音の方が先に恋を自覚し、気ままに成長して得ていた男の子らしさに、奥底で流れていた女の子らしさが急成長して追いつき、見事なバランスを取るようになる流れであり、その展開はかなり出来が良かったと思います。
 それにしても香辛料を集めるのが好きで、料理上手なヒロインとは、羨ましさが募りますね。

 体温高めのホカホカの身体であり、みんな寒い時にハグして暖を取るホッカイロのような存在の先輩。
 ルートは、雫里先輩のとある身体的なコンプレックスで足を踏み出せない屈託の料理の仕方が上手く、不快にならずに楽しめました。
 そして性格の良く包容力のある聖女のような先輩を性的にオープンにするように仕向けていく流れには笑いながら興奮していました。じらして、じらして、毎夜目の前に性器をつきつけながら欲望を認めるまでは望むことをしないとじらす。――まあ言ってみれば調教なんですが、聖女の内面にマグマのように熱く燃え盛る性的欲求を噴出させるダイナミズムはちょっと類を見ないエロさでした。
 かくして慎み深い性格を一皮をべりべりと剥された後は、後れた毎日へと何の躊躇もなく突入していきます。その粘着性の高い甘ったるさもまた甘美でしたね。

  • 姫廻たるひ

 出色の出来のヒロイン。


 びっくりするほど可愛い。超可愛い。
 純情可憐の権化。
 わたわたしながら懐いてくるのをによによ愛でていると俗世の穢れが全て浄化されていきます。
 キャラだけでも傑作なんですが、シナリオもまた他と同じ様にイチャイチャ、エロエロに徹した良いルートでした。主人公視点ADVだからこそ、最初の主人公側が恋心に気づいて、一方通行にやきもきするのにシンクロし、成就した時とそこから繰り広げられる恋の日々の昂揚はこれぞエロゲをやり一つの醍醐味かと。
 またこのルートでは初体験に至るまでの描写がかなり丁寧であり、お互いがいつするかの頃合を見測り、いざとなれば寸前のシャワーの中でドキドキし、そして興ざめさせない初体験。最高でしたね。

  • まとめ

 以上。糖度高めで萌えエロゲとして最高でした。出来れば部長ルート超希望。

  • Link

ゆきこいめると | 公式サイト