のんのんびより 1-12 雑感

複式学級の学校があるような田舎に住む子供たちの日常を描いた漫画。 大きなストーリーはありません。ひたすら遊んで、笑って、騒いで、怒られて、子供たちの田舎暮らしを描写しているだけです。 それが、本当に素晴らしい。 「いまの子どもと昔の子どもと、…

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー Ⅰ~Ⅴ 雑感

彼らは生きては敵を倒し死しては肉体が再利用されて新たな存在となる、楽園を目指す戦闘を繰り返していた。 終わりのない戦場である日突然、戦士は目覚める。 その時/肉を食う化け物と化した時から、本当の生への闘争が始まった―― 本作はRPGのDIGITAL DEVIL…

私の拳をうけとめて! 1 感想

フリーターの武部は脱ヤンするためにファッションショップへと足を運ぶ。そこで声をかけてきた店員・空森はかつて高校時代にしのぎを削った元ヤンの女性だった。意外な再会を経て、空森は武部に更に意外な告白をする―― という百合漫画。 劇的なイベントは起…

古見さんは、コミュ症です。 11 雑感

季節はGWから梅雨、新しいクラスメイトと友情が芽生え、かつてのクラスメイトとも友好を深め、友達の輪は広がっていく―― 古見さんシリーズは、私にとっていま最も最新刊を心待ちにしている作品に躍り出ており、しばらくトップを譲っていません。 毎回毎回待…

アリスマ王の愛した魔物 雑感

独立した短編5編が収録されたSF短編集。 どれもこれもが可読性が高くて、わくわくして、ああ良い作品だったと読み終えることができるツブ揃いの作品群でした。 バイクに搭載されたAIと仮想車体との会話劇が染み入る良質なクロニクルを織りなした『ろーどそう…

裏世界ピクニック2 雑感

理解のできない恐怖をあおる異形と異常現象が跋扈する裏世界を女子2人組が探検する百合ホラーSFの第2巻。 まず相変わらず怖い小説でした。 根源的に理解ができない/したくない恐怖の絵面のどうしても生理的に嫌というラインを見事に文章にしていました。 そ…

カクレカラクリ 雑感

レトロなアーティファクトが好きな男子大学生2人はちょっと気になる女子と彼女の実家の田舎にある工場を見に旅行することになった。その田舎町では宝を収めた絡繰りがどこかに隠されているという伝承が残っており、興味を引かれた彼らは一夏を宝探しに費やす…

聖なる怠け者の冒険 雑感

京都の町をぽんぽこ仮面が駆け、怠け者が寝たおし、週末を謳歌するカップルがぎゅうぎゅうのスケジュールをこなし、週末探偵の助手が方向音痴で惑う―― 祇園祭の宵山・山鉾巡行の2日間に起きた不可思議な小冒険を書いた京都小説。 とぼけた愛すべき面々が好き…

ストライク・ザ・ブラッド 1-18 雑感

最近集中的に読んでいて、購入していたところまで読み切ったので簡単に感想を。 人間と魔族が混在して生きる世界。中でも吸血鬼は強力な種族であり、始まりの吸血鬼たる<真祖>の三人はそれぞれ巨大な王国を支配していた。 しかし日本の魔族特区"絃神島"に…

働かないふたり 1-15 感想

成人しても働かない兄妹と彼らに関わる面々の日常を描いたコメディ。 kindleでセールしていたので大人買いしたのですが、大正解でした。 優しくいつまでも眺めていたい世界が描かれており、読んでいて大いにほっこりしました。偶に良い話になりすぎて鼻につ…

少女終末旅行 4-6 雑感

終わった世界を2人の少女が旅をしていくのを描いた作品がとうとう第6巻で完結。 4-6巻にかけて一気に読みました。 前半でも失ったものやもう二度と手に入らないものが描写されていましたが、それでも終末の世界なりに得ていくものがありました。 しかしこの…

上野さんは不器用4 雑感

科学部を舞台に、天才だけども極度のヘタレな部長・上野さんが後輩・田中くんに発明品で迂遠にアプローチするというラブコメシリーズの第4巻。 相変わらずのクオリティを保っていました。 出てくる発明品はどうしてそういうの思いついたのと言う自由な発想に…

やがて君になる 佐伯沙弥香について 雑感

やがて私は、沙弥香と呼ばれるようになる。 そして私は、彼女を燈子と呼ぶようになる。 (P211) 佐伯沙弥香の恋愛遍歴――小学生で性に目覚めて、中学生で恋に目覚めて、高校生で彼女に出会う。その一連の顛末を、沙弥香の一人称視点で書かれています。 何と…

時の娘 雑感

時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)posted with amazlet at 18.10.18ジョセフィン・テイ 早川書房 売り上げランキング: 100,033Amazon.co.jpで詳細を見る ロンドン警視庁警部は怪我の療養中、退屈を紛らわせるために取り寄せた肖像画の中から1枚に偶々目…

ゆるキャン△ 7 感想

女子高生たちがそれぞれのスタンスでキャンプを営むシリーズの待望の第7巻。 本作ではなでしこがとうとうソロキャンに挑みます。 いやはや、非常に素晴らしい巻でした。 なにがってそりゃ、志摩リン×桜さんですよ!!!!!!!! 個人的に一押しカップリン…

君が電話をかけていた場所/僕が電話をかけていた場所 雑感

人魚の伝説が流布される田舎町。顔の大きな消えない痣で鬱屈していた少年は得体の知れない電話からの指令を受ける。かつて救いとなった少女と再会して恋に落とせるかどうかを賭けよう、と。受けた翌日、顔の痣が突如として消え、世界が一変する―― これまで同…

いたいのいたいの、とんでゆけ 雑感

主人公の青年が轢き殺した少女は自分に起こった出来事を<なかったこと>に出来た。その能力がもたらす10日間の猶予で、少女の復讐を手伝うことになる―― その少女が心から強く願えば世界に<なかったこと>になる能力をガジェットに、青年と少女の犯罪同行を…

スターティング・オーヴァー 雑感

ある日気づいたら2周目の人生が始まっていた。1周目の幸せな人生を再現しようとするも失敗し、落ちぶれた。そして大学で自分の1周目の代役に出会う―― という青春小説。 落ちぶれた青年の鬱々とした語りで全編進んでいきます。こうではなかった、こうなるはず…

古見さんは、コミュ症です。 10 雑感

2年生への進級、親しくなれた友人とクラスは分かれ、また1からの出発。そして新しい友達が―― 相変わらず人恋しいけど人付き合いが苦手で、でも少しだけ成長が見られて、と古見さんの新たな1年が始まる巻でした。 進級に合わせて9巻まで慣れ親しんだ女性キャ…

少女妄想中。 雑感

百合小説短編集。 4編収録されていますが、最後の短編はそれまでの短編3編のエピローグ集みたいなものですので、実質物語は3つとなります。それぞれ筋は独立していますが、登場人物が緩く共通しています。それが本作のキャラと読み方に深みを与えていました…

折れた竜骨 上・下 雑感

1190年ブリテン島の東にあるソロン諸島の領主ローレント・エイルウィンは敵の襲来に備えて戦の準備を行っていた。そこに恐ろしい暗黒騎士が暗殺のため近づいているという警告を受け取る。しかし、その夜、エイルウィンは変わり果てた姿で発見されてしまう。 …

やがて君になる6 雑感

生徒会の演劇の舞台が幕を開ける。 そして物語は新たな局面へ―― この巻を読んだ想いを一言で言えば『好き!!!』となるのですが、それだけで終わってはなんなので、もう少し言葉を無駄に費やしてみます。 いやだってほら、この巻を読んだら、周到に用意され…

コロロギ岳から木星トロヤへ 雑感

2014年2月の北アルプスに位置するココロロギ岳の山頂観測所と、2231年2月の木星前方トロヤ群のとある惑星に打ち捨てられた宇宙船とが、時間を自由に移動する細長い生物が偶々"引っかかった"ことによって繋がってしまう。 このままではその生物が地球を壊して…

弱キャラ友崎くん LV1~6 雑感

冴えない男子高校生・友崎文也は格闘ゲーム『アタックファミリ―ズ』のオンラインランク1位のnanashiだった。彼はランク2位のNONAMEとオフ会をすることになったが、現場に来たのは同級生の美少女・日南葵であった。 そのオフ会をきっかけに、人生はクソゲーだ…

地球・精神分析記録 雑感

SFに入ったのはヴェルヌからで、凄いジャンルと感じたのはホーガンから。 でもSFって格好良いんだと思うようになったのは、日本では山田正紀作品、海外ではコードウェイナー・スミス作品に出会った時のこと。痺れるような格好良い文章で、唯一無二の世界を巧…

公正的戦闘規範 感想

5編が収録されたSF短編集。 この作者の作品はこれまで数冊を読んでいますが、「テクノロジーの先行した進化と、人間の適応、世界の変革のきざし」という流れが多いです。その上で来たるべき未来が明るそうに見えるのが特色と思っています。人間の理解力を超…

卯月の雪のレター・レター 雑感

短編小説集。 ミステリかつ青春小説となっており、全5編ともに高校生~20歳前半と若めの女性視点から語られます。いずれも派手な犯罪は起きず、日常の――その視点人物にとっての、日常――の謎が基本です。 もう少しだけ踏み込むと、全てで叙述トリックが用いら…

アメリカ最後の実験 感想

ジャズの名門<グレッグ音楽院>ピアノ科の受験の為に訪米した日本人青年・櫻井脩。 彼の演奏のモットーは『音楽はゲーム』というものであり、ルールに則って演奏すれば心を込めなくても音への感動という目的に達するとしていた。 しかし父親が発明した<パ…

星界の戦旗VI 雑感

アーヴの帝都・ラクファカールが陥落し、帝国は散り散りに分断された。 ――10年後、アーヴの攻勢が始まる。 前からもそうでしたが、戦争SFとしての貌が全面に出ています。 広大に過ぎる宇宙で<門>を遠く隔てた味方の別方面の安否さえ定かではなく、四か国が…

開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― 感想

18世紀のイギリスでは解剖学は下に見られ、研究ための遺体を手に入れるのも一苦労だった。 ダニエル・バートンの解剖学教室が、墓場から違法に購入した妊娠6か月の妊婦の死体を解剖しようとした時、治安隊に踏み込まれる。 死体を特殊な暖炉に隠して事なきを…