筺底のエルピス 6 雑感

「ゲオルギウス、三なる天使に面し、其は何者ぞと問う。三なる天使答えて曰く。我々はアルファ、ベータ、オメガである。始まりであり、継続であり、終わりである」 (筺底のエルピス6 -四百億の昼と夜-(ガガガ文庫)(Kindleの位置No.3793-3795).) 約1年半…

一夢庵風流記  雑感

かぶきもの・前田慶次郎の前田家を出奔してからの半生を書いた時代小説。 己の衝動と意のままだけで生きていく輩であり、人を驚かす奇怪な出で立ちや傍若無人の立ち振る舞いをし、なおかついくさ人の義と情は人並み外れている――、本作における前田慶次郎は作…

影武者徳川家康 上中下 感想

本物の徳川家康が関ヶ原の合戦の最中に暗殺された。影武者・二郎三郎が代わりに本物として采を振り、何とか勝利へと持ち込んだ。以後、影武者だった男の徳川家康として生きる戦いが始まった―― 徳川家康が死んで影武者が代替したという大きなifを前提にして史…

やがて君になる7 雑感

好きにならないで。 変わらないで。 中心にいる燈子は身勝手な願いを周囲に押し付けながら、外の世界に進んでいき、彼女自体は変わっていく。 だから、その報いは、願いの裏切りだった―― という訳で、6巻では侑がとうとう想いを言葉にして燈子に伝えました。…

虚構推理短編集 岩永琴子の出現  雑感

一つ目一つ足のおひいさま・岩永琴子が妖怪から持ち込まれる謎を解決するミステリの短編集。 短編はそれぞれ2つの流れに分けられます。 一つは妖怪が犯行現場を見て、犯人の人間の異常行動を不気味に思うパターン。 ・死体を沼に捨てながら「見つけてくれる…

サマー/タイム/トラベラー 1&2 雑感

地方都市の進学校に通う高校1年生の<ぼく>。何とも言えない、先が見えない不安に押しつぶされそうになっていた。しかし幼馴染の少女が一瞬消える現象を起こし、同級生同士で解明のためのプロジェクトを立ち上げてから、その年の夏は特別なものになっていく…

ゴブリンスレイヤー外伝:イヤーワン2  雑感

<ゴブリンスレイヤー>は指輪の鑑定をしてもらうために<弧電の術士>に会いに行った。その縁から怪物辞典のゴブリンの章の改定を任されているという彼女と共にゴブリンの生態を探ることになる―― ゴブリンスレイヤーがそう名の売れ始めた頃、本編の前日譚の…

古見さんは、コミュ症です。 12 雑感

また夏が来る。期末テスト・海水浴・ラジオ体操etc、友達とやることは尽きず、そして新しい交流関係も増えていく―― 前の巻を読み終えた時から出版される日を指折り数えてきました。待望の新刊です。Kindleで発売されると同時にむさぼるように読みました。 今…

ミウ skeleton in the closet 雑感

大学を卒業後、偶々手に取った中学卒業文集に覚えのない同級生の文章が載っていた。いじめられっ子が代々書き継いだノートの存在を記した謎の同級生の正体を探ろうとすると、事態は奇妙な方向へと動き出した―― という出だしの推理小説。 ミステリで百合とい…

ふたりべや6 雑感

しっかり者の桜子と、マイペースなかすみ。高校の寮生活から始まった2人の同居生活も5年になろうとしていた―― 友情百合系の4コマ漫画。 時間が進んでいく形式であり、巻を重ねるにつれて彼女たちは高校生から大学生となり、成人になっていきます。ふたり一緒…

アクタージュ 1-5  雑感

夜凪景は演技の内面を自己で追体験する"メソッド演技"を独学で身に着けていた。しかしその演技は観る者の心を揺さぶるものの、誰にも抑えの効かない劇薬だった。 役者として生きるために、夜凪は演技力を磨いていく。 そして、やがて彼女は自己の演技を完全…

わがままちえちゃん 感想

中学生になったばかりの少女"さほ"は自分以外に見えない幽霊の少女"ちえ"と友達になった。 "ちえ"は記憶を失っており身元が不明だったが、"さほ"は両親から同じ名前の姉がいたと語られ、次第に真実が明らかになっていく―― ノンジャンルの単巻完結の漫画。 前…

あまいゆびさき 雑感

母に虐げられて育つ2人の女の子が公園で出会う。そこから、運命の恋が始まった―― 片親にネグレクトされて育った少女・照乃と、人格無視の過干渉する母親に育てられた少女・真淳、2人の少女がサバイブする半生を書いた小説。 彼女たちは虐げられて、苛められ…

最後にして最初のアイドル 雑感

それぞれ独立したSF短編小説集。 しかし作品の癖は共通して激烈に出ています。いずれも時間と空間、そして人間性の最先端をそうとしか語れない言葉によって、見てきたように大ぼらをくそ真面目に吹いています。人間性を表すのにアイドルやソシャゲや声優が選…

のんのんびより 1-12 雑感

複式学級の学校があるような田舎に住む子供たちの日常を描いた漫画。 大きなストーリーはありません。ひたすら遊んで、笑って、騒いで、怒られて、子供たちの田舎暮らしを描写しているだけです。 それが、本当に素晴らしい。 「いまの子どもと昔の子どもと、…

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー Ⅰ~Ⅴ 雑感

彼らは生きては敵を倒し死しては肉体が再利用されて新たな存在となる、楽園を目指す戦闘を繰り返していた。 終わりのない戦場である日突然、戦士は目覚める。 その時/肉を食う化け物と化した時から、本当の生への闘争が始まった―― 本作はRPGのDIGITAL DEVIL…

私の拳をうけとめて! 1 感想

フリーターの武部は脱ヤンするためにファッションショップへと足を運ぶ。そこで声をかけてきた店員・空森はかつて高校時代にしのぎを削った元ヤンの女性だった。意外な再会を経て、空森は武部に更に意外な告白をする―― という百合漫画。 劇的なイベントは起…

古見さんは、コミュ症です。 11 雑感

季節はGWから梅雨、新しいクラスメイトと友情が芽生え、かつてのクラスメイトとも友好を深め、友達の輪は広がっていく―― 古見さんシリーズは、私にとっていま最も最新刊を心待ちにしている作品に躍り出ており、しばらくトップを譲っていません。 毎回毎回待…

アリスマ王の愛した魔物 雑感

独立した短編5編が収録されたSF短編集。 どれもこれもが可読性が高くて、わくわくして、ああ良い作品だったと読み終えることができるツブ揃いの作品群でした。 バイクに搭載されたAIと仮想車体との会話劇が染み入る良質なクロニクルを織りなした『ろーどそう…

裏世界ピクニック2 雑感

理解のできない恐怖をあおる異形と異常現象が跋扈する裏世界を女子2人組が探検する百合ホラーSFの第2巻。 まず相変わらず怖い小説でした。 根源的に理解ができない/したくない恐怖の絵面のどうしても生理的に嫌というラインを見事に文章にしていました。 そ…

カクレカラクリ 雑感

レトロなアーティファクトが好きな男子大学生2人はちょっと気になる女子と彼女の実家の田舎にある工場を見に旅行することになった。その田舎町では宝を収めた絡繰りがどこかに隠されているという伝承が残っており、興味を引かれた彼らは一夏を宝探しに費やす…

聖なる怠け者の冒険 雑感

京都の町をぽんぽこ仮面が駆け、怠け者が寝たおし、週末を謳歌するカップルがぎゅうぎゅうのスケジュールをこなし、週末探偵の助手が方向音痴で惑う―― 祇園祭の宵山・山鉾巡行の2日間に起きた不可思議な小冒険を書いた京都小説。 とぼけた愛すべき面々が好き…

ストライク・ザ・ブラッド 1-18 雑感

最近集中的に読んでいて、購入していたところまで読み切ったので簡単に感想を。 人間と魔族が混在して生きる世界。中でも吸血鬼は強力な種族であり、始まりの吸血鬼たる<真祖>の三人はそれぞれ巨大な王国を支配していた。 しかし日本の魔族特区"絃神島"に…

働かないふたり 1-15 感想

成人しても働かない兄妹と彼らに関わる面々の日常を描いたコメディ。 kindleでセールしていたので大人買いしたのですが、大正解でした。 優しくいつまでも眺めていたい世界が描かれており、読んでいて大いにほっこりしました。偶に良い話になりすぎて鼻につ…

少女終末旅行 4-6 雑感

終わった世界を2人の少女が旅をしていくのを描いた作品がとうとう第6巻で完結。 4-6巻にかけて一気に読みました。 前半でも失ったものやもう二度と手に入らないものが描写されていましたが、それでも終末の世界なりに得ていくものがありました。 しかしこの…

上野さんは不器用4 雑感

科学部を舞台に、天才だけども極度のヘタレな部長・上野さんが後輩・田中くんに発明品で迂遠にアプローチするというラブコメシリーズの第4巻。 相変わらずのクオリティを保っていました。 出てくる発明品はどうしてそういうの思いついたのと言う自由な発想に…

やがて君になる 佐伯沙弥香について 雑感

やがて私は、沙弥香と呼ばれるようになる。 そして私は、彼女を燈子と呼ぶようになる。 (P211) 佐伯沙弥香の恋愛遍歴――小学生で性に目覚めて、中学生で恋に目覚めて、高校生で彼女に出会う。その一連の顛末を、沙弥香の一人称視点で書かれています。 何と…

時の娘 雑感

時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)posted with amazlet at 18.10.18ジョセフィン・テイ 早川書房 売り上げランキング: 100,033Amazon.co.jpで詳細を見る ロンドン警視庁警部は怪我の療養中、退屈を紛らわせるために取り寄せた肖像画の中から1枚に偶々目…

ゆるキャン△ 7 感想

女子高生たちがそれぞれのスタンスでキャンプを営むシリーズの待望の第7巻。 本作ではなでしこがとうとうソロキャンに挑みます。 いやはや、非常に素晴らしい巻でした。 なにがってそりゃ、志摩リン×桜さんですよ!!!!!!!! 個人的に一押しカップリン…

君が電話をかけていた場所/僕が電話をかけていた場所 雑感

人魚の伝説が流布される田舎町。顔の大きな消えない痣で鬱屈していた少年は得体の知れない電話からの指令を受ける。かつて救いとなった少女と再会して恋に落とせるかどうかを賭けよう、と。受けた翌日、顔の痣が突如として消え、世界が一変する―― これまで同…