なめらかな世界と、その敵 雑感

出版社と編集者が百合SFの機運を高めて、実際機運が高まって、満を持して出版されたSF小説短編集。 もともと評価されていた書き手ですが、twitter上などで書き下ろし短編が凄まじいという前評判が立ちに立っていたので、これはもう読むしかという感じで購読…

神々のいない星で 僕と先輩の惑星クラフト 上・下 雑感

川上稔氏による新シリーズ。 大先端の時代<EDGE>を舞台とし、住良木・出見が唯一の人間として神々と共に惑星をテラフォーミングをしていく――というのが大筋。本作は1巻目であり、シリーズの世界観の怒涛のような説明と、主人公側のキャラクタの顔見せの色…

可愛いだけじゃない式守さん2 雑感

不幸体質の和泉くんと、その彼女の式守さんとの連作形式のラブコメ第2弾。 可愛いだけじゃない式守さん1の感想で書きましたが、格好良い! 可愛い!と叫びたくなる式守さんと、愛されるたびに美点が輝いていく和泉くんとの恋愛関係の糖度と強度がよりパワー…

僕の心のヤバイやつ2 感想

前にも書いた気がしますが、私は気になる漫画は基本的に単行本で購入派です。がっとまとめて読んでその作品世界に浸るのが好きなのと、1話1話の引きにやきもきするのがあまり好きではないことと、単行本を購入した時に新鮮な気持ちで読みたいことによります…

エンタングル:ガール 雑感

――この違和感を映画にできたら、あるいは美しい、世界の謎のひとつくらいは解き明かすことができる作品になるのではないだろうか。 (P41) 守凪了子が舞浜南高校の映画研究部に入部し映画を撮影する、4月5日から8月31日までのひと夏を描いた小説。 まずAIや…

帝国宇宙軍1-領宙侵犯- 雑感

700年以上前、100万を超える移民船の乗組員はワープ航法のエラーにより宇宙の迷子になり太陽系に戻れなくなった。彼らは地球に戻る方法を何としても見つけ出すことを国是とした銀河帝帝国を築き上げた。別の移民船から派生し、帝国を一方的に敵視する自由星…

鬼麿斬人剣 雑感

刀鍛冶・鬼麿の師匠が死に際、13年前の逃避行中に残した自らの名を汚す不出来な甲伏せの数打ちを折って欲しいと言い遺した。遺言を守るために鬼麿は120㎝を越える大太刀を背に師匠の嘗ての路を辿るが、その旅は奇妙な因縁と伊賀忍者の追手とで血の匂いに彩ら…

りゅうおうのおしごと! 11  雑感

丸々一冊銀子編。 余分な言葉は必要なく。 最高でした。 同じ頂を目指す者同士の傷だらけの記録にして、至高の幼馴染物。 一方だけが手を摑んでいる状態だったら、きっとすぐに二人の手は離れてしまったに違いない。 子供だった二人の気持ちが上手にすれ違い…

はなとゆめ 雑感

清少納言が内裏に出仕し中宮に仕えた顛末を書いた時代小説。 取り上げられるのは藤原道長の栄華が訪れる直前の、10年にも満たない年月の出来事です。 平安時代の上流階級のしきたりや男女の機微はほぼ完成し、恋せよ歌えよ書けよと彼らはさんざめきます。 そ…

虚構推理 スリーピング・マーダー 雑感

ホテルグループの総帥から遺産相続の優先権を決めるために子供らに一つの問題が課せられる。「23年前正体不明の強盗に殺された妻は実は自分が殺した。その方法を推理せよ」という課題だったが、彼が秘めていた真相は『妖狐』に殺人を託したという非現実的な…

ささやくように恋を唄う1 雑感

新入生・ひまりは歓迎会で披露されたバンドのボーカルに一目惚れした。彼女はひょんなことからボーカルである依と知り合い、仲を深めていく―― 学生物の百合漫画の1巻。 評判が良かったので手を伸ばしてみましたが、一読快哉を上げました。 感想を一言に突き…

Fate/Grand Order-Epic of Remnant-亜種特異点3/亜種並行世界 屍山血河舞台 下総国 英霊剣豪七番勝負 1 雑感

(kindle No.14) 主人公が戦国時代に似た下総の国に迷い込み、女剣士・宮本武蔵と共に英霊剣豪7騎と対峙し死闘を繰り広げる――というのが大まかな流れ。 チャンバラ時代劇の空気・雰囲気を見事に落とし込んでいたことやクライマックスのこれに燃えずに何に燃…

のぼうの城 上下 雑感

石田三成による忍城攻めを取り上げた時代小説。 2万の兵を率いて和か戦かを迫る石田三成軍と、500人の侍を召し抱える成田家との戦――本来なら戦闘にさえもならなかった筈の多対少の妙で数奇な合戦を小気味好く書き切っています。 前半でどうして合戦になだれ…

風雲児たち SPコミックス版 1-20 雑感

幕末を描く依頼を受け、関ヶ原の戦いから始まり徳川幕府の治世を語り出した歴史大河漫画。 徳川幕府の統治システムと、今に不満を抱く風雲児たちの生き様との対立・衝突を軸として描いています。 怨み――長州、薩摩、土佐の関ヶ原の戦いの後始末および苛烈な…

輪違屋糸里  上・下 雑感

新選組黎明期の初代筆頭局長・芹沢鴨暗殺事件を扱った時代小説。 芹沢鴨の命運がどのように尽きていったのかを人の心の動き/動機を中心に書いていました。 芹沢鴨は酒に酔うと芸妓の切り捨てや商家の焼き討ちといった狼藉を繰り返したが――本当に乱心であっ…

可愛いだけじゃない式守さん1 雑感

不幸体質の和泉くんと、その彼女の式守さんとの連作形式のラブコメ。 twitterで初めて上げられてからびびっときたのですが、兎にも角にも式守さんの造形が素晴らしい。かわいいだけじゃない女の子漫画 pic.twitter.com/hzT8U06Hbf— 真木蛍五⚫️6/7単行本 (@na…

壬生義士伝 上・下 雑感

鳥羽伏見の戦いが終結しようとした雪の日、大阪の南部藩の屋敷へかつて脱藩し新選組に属した侍が帰参を申し出た。侍の名は吉村貫一郎。生き意地汚くどこまでもあがこうとした彼はどういう男だっただろうのか―― 吉村貫一郎が最後に縋った故郷の屋敷においてそ…

筺底のエルピス 6 雑感

「ゲオルギウス、三なる天使に面し、其は何者ぞと問う。三なる天使答えて曰く。我々はアルファ、ベータ、オメガである。始まりであり、継続であり、終わりである」 (筺底のエルピス6 -四百億の昼と夜-(ガガガ文庫)(Kindleの位置No.3793-3795).) 約1年半…

一夢庵風流記  雑感

かぶきもの・前田慶次郎の前田家を出奔してからの半生を書いた時代小説。 己の衝動と意のままだけで生きていく輩であり、人を驚かす奇怪な出で立ちや傍若無人の立ち振る舞いをし、なおかついくさ人の義と情は人並み外れている――、本作における前田慶次郎は作…

影武者徳川家康 上中下 感想

本物の徳川家康が関ヶ原の合戦の最中に暗殺された。影武者・二郎三郎が代わりに本物として采を振り、何とか勝利へと持ち込んだ。以後、影武者だった男の徳川家康として生きる戦いが始まった―― 徳川家康が死んで影武者が代替したという大きなifを前提にして史…

やがて君になる7 雑感

好きにならないで。 変わらないで。 中心にいる燈子は身勝手な願いを周囲に押し付けながら、外の世界に進んでいき、彼女自体は変わっていく。 だから、その報いは、願いの裏切りだった―― という訳で、6巻では侑がとうとう想いを言葉にして燈子に伝えました。…

虚構推理短編集 岩永琴子の出現  雑感

一つ目一つ足のおひいさま・岩永琴子が妖怪から持ち込まれる謎を解決するミステリの短編集。 短編はそれぞれ2つの流れに分けられます。 一つは妖怪が犯行現場を見て、犯人の人間の異常行動を不気味に思うパターン。 ・死体を沼に捨てながら「見つけてくれる…

サマー/タイム/トラベラー 1&2 雑感

地方都市の進学校に通う高校1年生の<ぼく>。何とも言えない、先が見えない不安に押しつぶされそうになっていた。しかし幼馴染の少女が一瞬消える現象を起こし、同級生同士で解明のためのプロジェクトを立ち上げてから、その年の夏は特別なものになっていく…

ゴブリンスレイヤー外伝:イヤーワン2  雑感

<ゴブリンスレイヤー>は指輪の鑑定をしてもらうために<弧電の術士>に会いに行った。その縁から怪物辞典のゴブリンの章の改定を任されているという彼女と共にゴブリンの生態を探ることになる―― ゴブリンスレイヤーがそう名の売れ始めた頃、本編の前日譚の…

古見さんは、コミュ症です。 12 雑感

また夏が来る。期末テスト・海水浴・ラジオ体操etc、友達とやることは尽きず、そして新しい交流関係も増えていく―― 前の巻を読み終えた時から出版される日を指折り数えてきました。待望の新刊です。Kindleで発売されると同時にむさぼるように読みました。 今…

ミウ skeleton in the closet 雑感

大学を卒業後、偶々手に取った中学卒業文集に覚えのない同級生の文章が載っていた。いじめられっ子が代々書き継いだノートの存在を記した謎の同級生の正体を探ろうとすると、事態は奇妙な方向へと動き出した―― という出だしの推理小説。 ミステリで百合とい…

ふたりべや6 雑感

しっかり者の桜子と、マイペースなかすみ。高校の寮生活から始まった2人の同居生活も5年になろうとしていた―― 友情百合系の4コマ漫画。 時間が進んでいく形式であり、巻を重ねるにつれて彼女たちは高校生から大学生となり、成人になっていきます。ふたり一緒…

アクタージュ 1-5  雑感

夜凪景は演技の内面を自己で追体験する"メソッド演技"を独学で身に着けていた。しかしその演技は観る者の心を揺さぶるものの、誰にも抑えの効かない劇薬だった。 役者として生きるために、夜凪は演技力を磨いていく。 そして、やがて彼女は自己の演技を完全…

わがままちえちゃん 感想

中学生になったばかりの少女"さほ"は自分以外に見えない幽霊の少女"ちえ"と友達になった。 "ちえ"は記憶を失っており身元が不明だったが、"さほ"は両親から同じ名前の姉がいたと語られ、次第に真実が明らかになっていく―― ノンジャンルの単巻完結の漫画。 前…

あまいゆびさき 雑感

母に虐げられて育つ2人の女の子が公園で出会う。そこから、運命の恋が始まった―― 片親にネグレクトされて育った少女・照乃と、人格無視の過干渉する母親に育てられた少女・真淳、2人の少女がサバイブする半生を書いた小説。 彼女たちは虐げられて、苛められ…