この復讐にギャルはいらない 1 雑感

元殺し屋の高校生・橿原くんとギャルの美少女・新宮さんとのラブコメ漫画。 元殺し屋ならではの突拍子もない勘違いと、美少女に弱い普通の男の子の反応とが入り混じった橿原くんのあたふたする様が描かれていきます。 (kindle no.19) 好意を示されてはこれ…

女の園の星 3 雑感

女子高を舞台とし教師の星先生を主人公に描くコメディの第3巻。 本シリーズの笑いの秀逸なところはローテンションなカオスのシチュエーションを作るのが上手過ぎる点にあると思っています。 1巻のつまらなくて意味不明な作中作とか、2巻で卒業アルバムの写真…

狼は眠らない 1-8 雑感

<黒穴>に飛び込んだ冒険者・レカンは異世界に辿り着いた。新たな剣と魔法の世界を己を鍛えて生き抜いていく―― 全8巻の長編ファンタジー。 無骨で殺伐とした冒険者を主人公とし、彼の冒険譚が綴られていきます。 設定はなろう系統によくあるファンタジーの…

裏世界ピクニック8 雑感

理解のできない恐怖をあおる異形と異常現象が跋扈する裏世界を女子2人組が探検する百合ホラーSFの第8巻。 過去の因縁にして脅威であった閏間冴月を祓い清算した後、鳥子は空魚に対して踏み込んだ――という出だし。 「私、空魚が好き」 「……知ってるよ」 「じ…

好きな子がめがねを忘れた10 雑感

小村くんが隣の座席の気になる女の子・三重さんが眼鏡をよく忘れるのをサポートしだしてとうとう10巻目。 眼鏡を忘れたドタバタの過程で仲良くなっていった少年と少女はようやくどうしたら忘れないかの根本的な対策を始めます。 え、今更という感じですが、…

わたし、二番目の彼女でいいから。5 雑感

桐島司郎は京都で一人、大学生生活を始めた。ぼろいアパートで生きているだけの灰色の生き方だったが、友達を得て次第に色づいていく―― そんなこんなで前の巻で破局的な三角関係の終焉を迎えた彼が大学生となった新章です。 おっかなびっくり読み始めたそこ…

漫画版『かがみの孤城』 1-5 雑感

7人の中学生は光る鏡を通って城に招かれた。狼の面をした少女はどんな願いも叶えられる部屋の鍵を1年間で探す権利を与えられたと彼らに告げる。ただし願いを叶えられるのはただ一人―― 『かがみの孤城』というタイトルには先日公開された映画で初めて出会いま…

隣のお姉さんが好き 1-2 雑感

中2の少年・佑は隣に住む高2の少女・心愛の元に映画を一緒に見るという口実で通い詰める。隣のお姉さんは何を考えているかわからないままに―― 『好きな子がめがねを忘れた』シリーズの作者による新シリーズ。中2男子が高2女子に熱を上げる年の差ラブコメです…

安達としまむら11 雑感

安達としまむらシリーズの最新作。8巻において掉尾としての海外旅行を書き、10巻においてしまむらが安達と2人暮らしをするために家を出る際の感慨の乏しさと未来への想いを記してきました。 そしてこの11巻では、しまむらがこれまで置いてきた人間関係を短編…

あかねさす柘榴の都 1,2 雑感

少年・夏樹は14歳にして母親を亡くし、スペインはグラナダに住む叔母に引き取られた。夏樹は母の故郷でもあるグラナダでの生活にゆっくりと慣れていく―― 本作は母を亡くした少年のグラナダでの生活を描いています。 最初は慣れた日本から異国で迷い込んだよ…

ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー 雑感

日本人作者たちによる改変歴史SFアンソロジー。 石川宗生、宮内悠介、斜線堂有紀、小川一水、伴名練と並べるとどこの早川や創元なのですが、なんとも驚きの小説現代に載ってからの講談社タイガでの文庫化でした。出版社が偏らないのは多様性があっていいこと…

『スワロウテイル』シリーズ 雑感

感染すると若返り遂には死に至る〈種のアポトーシス〉が蔓延しつつある未来、日本では感染した男女は隔離されて東京人工島に住んでいた。人々は異性の代替として疑似生命〈人工妖精〉をパートナーとしていたが、人間を害さないように5原則が組み込まれている…

メカニカル バディ ユニバース 雑感

メカと人間のバディって燃えるよね――という要素を詰めに詰め込んだ漫画。 偽装スキンをつけたロボットの母親に育てられた子供が母子で組んで傭兵をしたり、自立型狙撃銃と合体して街の平和を守る少女だったり、『泣き女』と呼ばれる伝説のパイロットがかつて…

リビルドワールド I~VI 雑感

かつての文明は崩壊し人類の生存圏が狭まった未来。スラム街の少年・アキラはハンターとして生きるべく第一歩として旧世界の遺跡へと赴く。命からがらたどり着いたアキラは廃墟に不釣り合いにたたずむ裸の美女・アルファと出会う。アキラにしか知覚できない…

『青春ブタ野郎』シリーズ 1-11 雑感

梓川咲太は図書館でバニーガールの格好をした美少女が誰にも注目されていないのを目撃する。それ以降、咲太は悩みが高じた少年少女の身の回りに少し不思議な現象が起きてしまう思春期症候群に"再び"巻き込まれていく―― 「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢…

小説 ゆうえんち バキ外伝 1-5 雑感

葛城無門は柳龍光に挑むため"ゆうえんち"を目指す―― 夢枕獏による刃牙シリーズの外伝小説。 "あの"夢枕獏で、"あの"バキのコラボレーションということで、実にこってりとした格闘小説でした。 最初から最後まで饒舌に、男が自分の技をふるって前に立つ男を打…

新太閤記 1-4 雑感

海音寺潮五郎による豊臣秀吉の一代記。 豊臣秀吉――器量悪しく「猿」と揶揄われる百姓の子・与助が織田家に奉公し、手柄を立ててどんどん出世し、有数の大名となり、ついには関白になりおおせ日本統一を成し遂げ、そして耄碌して破壊的な過ちを犯し死んでいっ…

ここほれ墓穴ちゃん 1-10 雑感

大学院生の墓守くんと会社員の墓穴ちゃんとの同棲物。 大学3年の頃に出会い付き合うようになった彼氏彼女の関係なのですが、1巻から10巻まで延々とラブラブラブラブな同棲カップル描写を見せつけて来ます。 もうひたすら甘々でイチャイチャ。ちょっとした喧…

わたし、二番目の彼女でいいから。 1-4 雑感

桐島司郎と早坂あかねはお互いに一番好きな人がいるけれども二番目に好きな同士として密かに付き合っていた。しかし桐島の一番好きなひとである橘ひかりが桐島に接近してきたことをきっかけに彼と彼女の関係は崩れていく―― 清純で可愛く人気がある早坂あかね…

魔眼の匣の殺人 雑感

真雁地区において班目機関による超能力の研究がされていた旧施設は<魔眼の匣>と呼ばれていた。そこに手伝いと共に住むサキミは決して外さない予知能力を有しているとされる。サキミが「真雁で男女が二人ずつ四人死ぬ」と予言した期日近くに、<魔眼の匣>…

アオのハコ 1-6 雑感

中学の時から猪股大喜は一つ年上の鹿野千夏に恋をしていた。大喜は男子バトミントン、千夏は女子バスケと体育館での部活の練習でしか顔を見合さない筈の相手だったが、高校生に上がるとひょんなことから彼女が同居することになった―― ヒロインが親の事情で引…

マーダーボット・ダイアリー 上・下 雑感

かつて大量殺人を犯し記憶を消去された警備ユニットは保険会社に命じられて今日もまた顧客の護衛をしていた。惑星資源の調査隊を正体不明の敵の襲撃から守れるのか―― という出だしのSF小説。 警備ユニットを主人公とした連作中短編型式で、警備ユニットが護…

児玉まりあ文学集成 1-3 雑感

児玉さんと笛田君が延々と言葉を連ねていくおはなし。きっと、ラブコメ。 不勉強で今まで本作を知らなかったのですが、ふとしたことで出会い、ぞっこんに嵌ってしまったのでした。 最初は児玉さんという髪の長い不思議な美少女が衒学的な会話を仕掛けてきて…

大奥 1-19 雑感

徳川家光の代に男のみ罹り若い男の死亡率が取り分け高い<赤面疱瘡>が流行し男が激減したため、女が社会を担うようになり幕府の将軍もまた女が就くことになった――というオルタナティブヒストリー物。 歴代女将軍と見目麗しい若い男が集められた大奥との歴史…

新選組血風録 雑感

司馬遼太郎による新選組にまつわる短編小説集。 『燃えよ剣』を読んだ勢いで読み進めたのですが、これまた面白いことこの上なく。切れ味良い時代小説の短編として、また『燃えよ剣』のサブテキストとして大いに楽しめました。 やっぱり外にも内にも粛清に明…

燃えよ剣 上・下 雑感

司馬遼太郎による土方歳三をメインとして新撰組を取り上げた歴史小説。 最近だと京極夏彦による土方歳三をひたすら人を殺してみたかった人間として書いた『ヒトごろし』やちょっと前だと浅田次郎の新選組三部作やら読んできましたが、そもそものこの有名作を…

クロックワーク・ロケット 雑感

<直交>三部作の1作目。 相も変わらずハードSFなのですが、本当に歯応え抜群でした。 や、概要を書くと単純な物語なのです。ある惑星の滅亡の危機を救う手段を発見するために科学者たちがロケットに乗って旅に出る、と。 ただただ、その世界の法則への徹底…

あそびあそばせ 13 雑感

遊び人研究会に属する女子中学生たちがゲッスくてブラックなギャグを飛ばしながら箍の外れた顔芸を見せるイカれたコメディシリーズ。 これまで巻を12も重ねてきて、ゲッスくてブラックな女子中学生コメディという基本路線は変わらないものの、次第にキャラが…

零號琴 上・下 雑感

惑星・美縟の首都では開府500年を祝う祭りで首都全住民が假面をつけて催される假面劇の準備が進んでいた。假面劇に合わせて惑星の大地から作られる巨大な楽器・美玉鐘を用いて国を啓いた曲<零號琴>を鳴らす計画に特種楽器技芸士のトロムボノクは巻き込まれ…

双亡亭壊すべし 1-25 雑感

東京・沼半井に<双亡亭>というおばけやしきがある。空爆されても壊れない、ねじれたお屋敷。なんとしても<双亡亭>壊すべし―― 藤田和日郎氏による長編漫画。 自衛隊に空爆されても<双亡亭>は無傷で健在であり、なんとしてもかの屋敷を壊せと総理は全国…