ハーモニー コミック版 2 雑感

 WatchMeと医療合意共同体により人間の身体が完全に管理されるようになったある種のディストピアを描いたSFのコミカライズの第2巻。
 1巻の時点で絵が上手くかなり好印象を持っていたのですが、この巻に至り諸手を上げて褒めるレベルまでになりました。
 非常に素晴らしいコミカライズです。


 Emotion-in-Text Markup Languageによりタグ打ちされた文章の出力たる原作を絵によってより視覚的に再定義していました。吹きだしでわちゃわちゃするところは多いのですが、その言葉を発する空間の認識を形あるものとして意味づけられていたので漫画として負けていませんでした。背景や小物に関して描きこみと漫画への割り付け方も素晴らしいので、センスが良いのだと思います。
 そして何よりもやっぱり美少女が可愛い。

 これ重要です。
 

 なお、褒めちぎるきっかけとなった、心を打ち抜かれたシーンは以下。

 肌荒れはセルフコントロールの喪失。
 目の下のくまは社会的リソース意識の欠如。
        (ハーモニー(ハヤカワ文庫JA)(Kindleの位置No.864-865))

 まず、原作にあった調合=ハーモニーに満ちた社会を揶揄するトァンの言葉を引いておきましょう。
 そして、ここからがそのトァンがミアハの家を訪問する直前の描写。



 からの、


 私のフェチシズム猛回転するボタンを強打されました。
 恥知らずな隈を消し、社会に形なりに迎合する姿を他者で私だけが知っている――。
 その事実のなんと、甘美な臭いがすることか。
 この絵による直接的な読者への認知の働き掛けは流石に漫画でしかできません。
 このシーンだけでも、このコミカライズは傑作認定しちゃいたいぐらい。


 以上。この巻だけでも非常に大好き。このクオリティで最後まで突っ走ってもらえるよう応援しています。

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