正反対な君と僕 1-4 雑感

 元気いっぱいで流されやすい鈴木さんと、寡黙で自分の意思を貫く谷くんとをメインとしたラブコメシリーズ。
 高校生たちの初々しく、清々しい、心地の良い青春模様が展開されています。
 ラブコメ界隈では連載開始から話題になっていたのですが、御多分に漏れず自分もすっかり嵌っていました。 

 好きなものを好きだと言いたい――好きだと言う、から始まった恋愛。

 (1巻、kindle N0.70)

 巻を重ねてきて、一緒に勉強したり、一緒に下校したり、初めてデートしたり、初めておうち訪問したり、なにげないこともイベントも通して恋愛関係は深まっていますし、その恋愛を通して眩しいぐらいにまっとうに成長していっています。
 騒がしいけど本当のことを言えなかった彼女は、テンパったり空回りしながらでも「好き」だと言い続けることが出来るようになっている。
 物静かな彼は、自分の意思を/自分の「好き」を声に出して相手に伝えることを出来るようになっていく。
 そもそもいいなあという彼と彼女が、長所はそのまんまにもっといいやつらになっていくのだから、読んでいて楽しいんですよね。
 そう、笑うようになった谷くんを前にして曰く、

 (4巻、kindle N0.154)

 ほんとそれな、という感じで、こちらも良い意味でほくそ笑みたくなります。


 青春模様として、メインのカップルだけではなく、サブキャラの扱いも抜群に上手いです。
 裏のないバカなやつらが騒ぐのも、考え過ぎてこじらせちゃうのも、彼らが良く生きる日常へと還元されます。
 なお個人的な推しは平と東の組み合わせ。互いに色々あって言葉に出し合うと嚙み合わない様がツボ。


 以上。良い作品です。文句なしにお薦め。

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