ペルソナ3ポータブル 感想

 ペルソナシリーズは一度プレイしてみたかったので、「PSP版まだー」と出る前は煽っていたのですが、出てみるとクリアするのに1年近くかかったという罠。や、他のゲームと被って、一旦UMDを出すと、中々再プレイに至らないんですよねー。
 それでも、ようやく終わったので、序盤の方の記憶はもう曖昧ですが簡単に感想を書いてみることにしました。

  • 戦闘システム

 シンボルエンカウント制、ターン制の戦闘システム。敵が下のレベルになると逃げていくので無駄なザコ戦をする必要がないなど、オーソドックスかつ快適な作りとなっています。
 戦闘システムのメインの特徴はタイトルでもあるペルソナでしょう。ペルソナを装着して様々な能力を発揮することとなり、そのペルソナは合体によって増えていくことになります。
 ここで重要なのが弱点の存在です。本作の戦闘では弱点を突いたりクリティカルを与えたりすると、与えられた敵はダウンし、再攻撃が出来るようになります。全ての敵がダウンすると味方全員による“総攻撃”が選択可能になり、大ダメージを与えます。同時に自キャラも弱点を突かれるとダウンし、再度攻撃されるようになり、再び弱点攻撃をされると大ダメージを食らうことになります。大丈夫な筈の雑魚敵でも気を抜くと、ヤラれかねません。
 なのでペルソナの属性と敵の属性とを見極める必要があります。ここにおいて、どのペルソナを持って行き、どのように装着し、どんな攻撃をするかという戦略の楽しさ(そこまで複雑ではないのが重要)が生まれていますし、ペルソナを増やすことで多様性を生まれます。


 戦闘フィールドは潜るごとに構造が変わるダンジョン“タルタロス”です。タルタロスを登ってレベルを上げや依頼をこなしつつ、月に1回満月の時にボスと戦闘するようになっています。

  • 日常のシステム

 4月に入学して1年間学園生活を送るのが作品内の時間経過です。学園生活では“コミュ”というペルソナと並ぶ特異なシステムが活躍します。大アルカナの名前が割り振られたコミュがあり、そのコミュに属するキャラクタとのイベントを経ることでコミュレベルが上がっていきます。コミュレベルが上がるに連れて、キャラクタとの親しさが強くなるのを見るのは楽しいですし、対応するペルソナを生み出す経験値も同時に上昇するというメリットもあります。あとコミュレベルがMAXになると、ラストバトルで出現し、エピローグで後日談を垣間見ることが出来ます、
 なおこの作品の大アルカナはタロット(マルセイユ版) - Wikipediaトート・タロット - Wikipedia とが混ざったものになっています。

  • シナリオ

 大雑把にジャンル分けすれば“学園異能”となるでしょう。オシャレな学園異能の生活を送りたい――という欲望を充分に応えてくれる強度を持っていました。
 戦闘はクールなビジュアルの勝利です。頭に銃を撃ち顕現する異能、学友と共に怯れと高揚を抱いてダンジョンに潜り、例えば満月の明るい夜に歪んだ橋の上で戦うビジュアル。これぞ、求めていたものではないのかと。


 ただし日常のシナリオコミュでのイベントは無茶苦茶面白い訳ではありません。資産家のレールを走ればいいのか、親との葛藤、離れた家族とよりを戻せるのか、臆病な自分を何とかしたい、迫り来る死を前にして何が出来るのか、生とは何か、云々。発想の大本は至って平凡であり、展開も平凡に終始します。にも関わらず、平凡でありきたりだから……無駄で要らない、とはなりません。
 第一にどのコミュのイベントでも“問いと答え”のセットが重要視されていることにありました。この“問いと答え”は毎回姿を変えるタルタロスが“問い”であり、潜る私たちは答えを探しに行くようなもの――と言われるようにタルタロスを筆頭に、作品内の何処にでも響いています。ありきたり――つまりは普遍的な問題に主人公が/触発されたキャラクタが答えを出していく姿勢が大切という話なのでしょう。
 そして第二に、キャラクタ達と共に何をするかではなく、共に過ごすことこそが重要とされています。それはレベルMAXになった時の文章によって現されています。

 かけがえがない絆を手に入れた

 ――そこに辿り着くため、戦い続けるために、日常を過ごす。
 これこそが学園異能


 なおコミュで気に入ったのは“隠者”です。何が気に入ったかといえば後日談。良い所でツンギレします。何その、年上萌え属性

 永劫、XX。対シャドウ用の人型ロボット。
 物語の中盤から登場し、ロボットの少しずれた感性を振りまく不思議キャラとして確立します。しかし、お約束のように次第に人間らしくなり、主人公に対する想いが強くなり、後半に至ってはほぼメインヒロインの座を掻っ攫います。

 今はゆっくり休んで…
 わたしはずっと、ここに居るから…

 かくして宣誓は果たされた――。永遠の命と限りある生命。よくある話、わかっちゃいるのですが、どうしようもなく心動かされました。切なさ乱れうちとはこのことか。
 それにしても良いキャラでした。序盤は不思議系で、感情を得てからは純粋無垢で、常に一途に主人公を想っていて、実は幼馴染キャラ。――最強じゃないですか。
 ペルソナが変化するエピソードも一番好きで、パラディオン――鎧の形から変化して中身を得た時の感動はひとしおでした。


 けれどというか、何と言うか、アイギスに惚れたからこそ、いまさらP3考察 @ Wiki - トップページを読んで、公式で認められてしまっているようで、あのエンディングに絶望しました。薄々そうだとは感じていましたし、綺麗な締めなのですが、うぬぬ。
 これはもう何としてもP3Fesポータブルを出して欲しいのですがー

  • エリザベス

 ベルベットルームにいる召使。淡々と仕事をこなし、時に無茶な依頼を出す、無表情お茶目キャラです。要所々々で、いいセリフを吐く、隠しヒロイン的な存在でもありました。

 あなたがどれほどの高みにいようと、
 あなたの元へと向かう心積もりでございます。

 しかし。
 残念ながら、1週目では倒してあげられなかった――

  • まとめ

 以上。期待にそぐわぬ素晴らしい学園異能RPGでした。
 フェスかP4Pが出ることを願っています。

  • Link

 OHP-P3P PERSONA3 PORTABLE


 

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