クベルの首枷病 雑感

 遺跡の調査のために魔術師マジェタノは幼馴染と共にカルデスタを訪れる。遺跡の奥深くに眠っていた禁書をカルデスタ町長の息子がふとしたことで手に入れてしまい調査は思わぬ方向へと進んでいく――

 幼馴染と純愛をはぐくもうとしていたマジェタノが町長の息子にNTRれるRPG
 評価高かったので+と合わせて購入はしていたもの、最近ようようプレイし終えました。

 いやはや――――大満足です。
 女主人公のねっとりとしたNTR物としてむっちゃくちゃ良く出来ていました。
 造りはオーソドックスなのですが、そこに込められた熱量が素晴らしいんですよ。

 それなりに長い純愛ADVパートで少年少女の大事な思い出を描き、幼馴染が倒れて言いなりにならざるをえない段取りを描き、そこから少女がいけすかないチャラい男に堕ちていく淫猥な日々をプレイで積み重ねていくことになります。
 挟まれるゲームパートとしてはマジェタノを操作する体当たり型式のARPG。最奥を目指し遺跡に潜っていくのですが、敵を倒すとMPが減り歩数を重ねると肉欲が上がっていき、MPが0になるか肉欲が100になると遺跡から強制的に離脱することになります。最大MPを伸ばすのと回復するのはアイテムでもある程度は行けるのですが、最大効率は町長の息子と性行為をすること。そのためマジェタノは最初は嫌々ながら体を重ねていきますが、回数を増すたびに、徐々に、徐々にほだされていく――という心の機微が絶妙でした。
 あるいは女に慣れたチャラ男がおぼこい少女を開発していく手腕の描き方が巧みだった、とも言えます。
 これまで母の愛情に大事に育てられ幼馴染と淡い恋愛感情を育んできて優秀な魔術師として重宝されてきたマジェタノにとって想像もしてこなかった直接的な快楽に脳ががつんとやられ、翻弄されながらいつしかより快楽を得るためにチャラ男の言うがままに動いてしまう流れがほんと丁寧なんですよ。
 一時の快楽に身を崩さず幼馴染と願っていた通り結ばれるのを待つような強気で綺麗な少女のままでいる、なんて許されなくて汚されていくのを目の当たりにすることのなんて興奮することか。

 死ね。
 こいつ、ほんと死ね。

 と心で叫びながら、言われるがまま口を使い、どうしようもなく下品な言葉を発し、なんでそんなところで屋外でプレイし、いつしか慣れていずれもより快楽を得るためのスパイスになっていく。
 備え付けられた『称号システム』は回数と反応によって淡々と「汚れていく唇」やら「腰振りお嬢様」やら認めてくれてしまう。
 後戻りできない心と体の変化が文章でもシステムでも露わにされていきます。
 その果て――快楽に流されに流され、好きだと言わされ、チャラ男からも好きだと睦みで返され、これが"私の恋"だととうとう認めて得られる称号曰く、
 ――セフレ16号
 彼女はそんなメタには気づきません。それを知っているのは竿役とプレイヤだけで、ことここに極まれりという最高の瞬間かと。
 "強かった"一途さが揺らぎ、幼い恋が色褪せ、淫らで無様ででもどことなくいじらしさが漂うその在り方は寝取られていく主体として見事に輝いていましたね。
 浮気ルートでさらに吹っ切れたのもまた乙で、良い女になれる要素のあった少女がぐずぐずと悪い男に引っかかりつづける有様を楽しませてくれました。

 
 あと良かったこととしては、町を歩いていると住民からの反応が段階的に変わっていくのも少女の無様さが際立つエッセンスでした。

 

 

 最後まで擁護して淫らな噂なんて信じなかった人々にもとうとう呆れられるとか超かわいそうです(どの口が。


 以上。傑作。お気に入りの逸品となりました。

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