フェブリス大陸は皇帝ガレリウスをいただく新生ゼノイラ帝国により統一され圧政下にあった。最初に滅亡したコルニア王国の亡国の王子・アレインは数少ない兵を率いて帝国から諸国の解放を目指す――
というヴァニラウェア開発のSRPG。
初回1周のクリア時間は49時間46分。
傑作『十三機兵防衛圏』以来の待望の新作でしたが、期待に大いに応えてくれた快作でした。
まずなによりSRPGでやりたいことに没頭してやらせてくれるホスピタリティが最高。
SRPGでやりたいこと――戦争と戦闘の準備。「ユニットを組む、1つの武器と3つのアクセサリーを装備する、攻めと守り時の行動を予約する」のサイクルをひたすらに回しながらマップへの配置と進撃させ、敵のユニットと配置に対する最適のシナジーを作り出します。
実際の戦闘シーンはその用意が適切だったかの答え合わせとなります。単発の戦闘内でコマンド入力する必要はありません。ただただ事前準備が試されます。計算通り相手を封殺するのも楽し、計算したはずが行動ポイントが足りてなくてスキルが不発で上手くいかないのもまた楽し。キャラや装備、スキルが増えるにつれてやれることが増えていき、その都度自陣営をいじり倒す――いやあこれぞSRPGという醍醐味でした。
当然最終的に己の最強の軍が固まってこれ以上いじらなくなってカスタムする遊びが無くなるのですが、そうなってしまえばあとはもうクリアしてしまえば良いのです。
また余分と感じるようなストレスは極力減らされています。例えばキャラクタの親密度はアイテムや行動で上げられこそすれ、放っておくと忠誠度が下がって離反するとかありません(忠誠度管理が楽しいゲームもなくはないのですが、最低でも軍所属でイベント系は上げるだけでいいじゃんというのはまさにそうです)。
なお初回でも難易度はNORMALだと楽なので、TACTICALがお薦めです。それで難しすぎると感じたらNORMALに下げれば良いかと。
シナリオはドストレートな戦記物です。
亡国の王子が大陸を回って各国を解放し、ついには横暴な皇帝を除き王となる――というのをきちんとてらいなくやり遂げます。
短い文章とちょっとした立ち絵の動きでシチュエーションを盛り上げるのがかなり上手いため、退屈せず王道に乗り切れることが出来ました。
その描写の巧さは親密度会話にも表れていて、どれもこれも短い会話でキャラ単体の魅力とキャラの関係性の美味しさが余すところなく伝わってきました。
個人的に断トツトップだったのは主人公と同様にコルニア王国の亡国の王族・ヴァージニアとの親密度2のもの。久々に会い、子供の頃に遊んだ遊戯をまたやって、その戦い方が成長していなかった――というシチュエーションでこうまで心を動かされちゃあ脱帽するしかありません。
ヴァージニアの好感度2段階目の会話良かった。昔通りの寂しさをさらっと上手く描写されていた。 #ユニコーンオーバーロード #NintendoSwitch pic.twitter.com/dMeh1J0GKm
— ぱぶ (@pub99) 2024年5月6日
なのでまあこうなって、
配偶者に選ぶ選択肢以外はありませんでした。(選ばないとギルベルトにかっさわれそうで・・・・)
多分己の契約者を選ぶ基準はそれぞれで――話の筋的に幼なじみだったり、単純に一番有用なだけでも良かったり――、それぞれなりの戦記の終まで連れ添う者を選ぶことになるのでしょう。個人的にはベレンガリアも大いに悩みましたね、ええ。
以上。良いゲームでした。
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