この大空に、翼をひろげて 雑感

 グライダーでモーニンググローリー(参考)を目指す少年少女たちを描いています。具体的に言うなら、

【依瑠】「鳥が飛ぶ理由はわかりました。
     黄金の時間もみつけました――つまり」
普通の人が吐くには気恥ずかしすぎるであろうそんな台詞を、臆面もなく先輩に伝える。
わたしがこの部活を通して、手に入れたもの。それは。
【依瑠】「青春、見つけました」
青春という、貴重な熱量だ。

 要は、こういう話。
 エネルギーが余って余ってしょうが無い時期に、目的という火をつけられて、どんどんどんカロリーを消費していく様をこれでもかと見せつけます。走りたいから走るんだし、作りたいから作るだし、飛びたいから飛ぶ――どうしようもないやむにやまれぬ衝動によって駆け抜けていくのに少しでも共感したなら、堪らない共感覚が体中を奔ることでしょう。
 敵など無く、ライバルもおらず、ただ自ら努めて知識と技術と訓練により"飛行"に向けて磨き上げていくグライダーが題材なこともプラスに働いていたと思います。承認に他者や相克など必要ないのが爽快でいいじゃないですか。
 手段が目的と化するにも大いに結構、暴走するのも何のその。なにせ青春ですから。

 
 そういう部活物としての秀作さに加えて、性行為描写が作品の中でそれなりのウェートを占めていました。シーン数がむちゃくちゃ多いわけではないのですが、一つ一つが長いですし、質が出色でした。
 みんな、すっごい楽しそうにセックスしています。
 "純愛ゲにおけるエロシーンとは身体を使って心が通い合うのを示すシーン"なのは重々承知ですが、もう誰もかもがありあまる体力で思いっきりセックスしているのを見るとキミタチ楽しそうだなあというのが先に出てしまいますね。屋内/屋外を問わず、盛ったら一直線、はちきれんばかりの肉体を晒し、ばつんばつんと2人の身体が重なり合い・ぶつかり合います。飽きるなど辞書に無く、ひたすらに貪りセックスセックス。
 

 以上のように、若者らしさが部活とエロとに発揮されることで、"部活しながらセックスする体験"を擬似的に追うのに持って来いの逸品になっていました。購入するなら『Sweet Love パッチ』付きの物をお薦めします。各ヒロインのエロシーンが追加されますので、プレイし無いと損でしょう。

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