- 感想
主人公の名前が諸葛考明で、美少女にして漢中王を名乗る劉備玄徳が彼を軍師にするために押しかけた。流されるままに受け入れてしまい、劉備、関羽、張飛の三人の美少女たちと一つ屋根の下に暮らすことになる――
という感じの冒頭。ネーミングから判るように、三国志の武将を美少女/美女化して現代に持ってきたエロマンガです。
登場人物たちの性格付けは広まっている元ネタとの兼ね合いが上手く絶妙に外していて、劉備は押しの強い暴君と意外性をもたせ、関羽が日ごろ冷静でHの時は素直になったり、張飛は表向き癒し系の妹キャラでありながら人格があれだったりします。彼女たちは“生まれた時は違えども死す時は一緒”な姉妹の契りを結んでいるのですが、それがエロに関してアホな方向に飛んでいきます。劉備が孝明を軍師とするために押しかけたとは名ばかりに種付けさせて子作りさせようとし、三人でローテーションさせようとします。それに驚いた張飛にのたまった言葉が下。
…って 何よ張飛!
私たち姉妹は一心同体でしょ!?
死ぬ時が一緒なら
産む時も一緒なの!
それで、ひーっと泣く張飛の顔が実に可愛いのですが、置いときましょう。
そんな感じにハーレムなエロに突入し、仲間が増えたり、重要な対立キャラ――幼なじみの十河素子(とごうもとこ)が登場したりします。素子の名前の音から劉備によって強引に曹操孟徳にこじつけられてライバル視されるのですが、そこらへんのネーミングのこじつけは良い意味でテキトーでした。
この素子は黒縁メガネのちょっと野暮ったいキャラクタですが、要所要所で味のある姿を見せます。一途に孝明を思っていて、孝明が劉備としている場面を覗いて自慰したり、思い叶って孝明とヤったりするなど感情が解りやすいエロシーンで入り込みやすかったです。それに劉備側と曹操側に別れてデスマッチするストーリーで最後で美味しい所を掻っ攫います。でも最終話では思い通りに行ってないなど不遇属性があるのも愛嬌でした。しかし、それにしても
倚天―――――
はそういうお話ではないにせよ、にやにや出来るデスマッチの決着でした。
そんな感じにストーリーは一応あるのですが、まあってないようなものと思った方がいいでしょう。メインはエロ。
ヒロイン全員巨乳で、これでもかというぐあいにヤラシイ体つきをしています。エロシーンは精液や汗や涎が飛び散って肉体的で良い感じです。繰り返しますが良い巨乳です。実に柔らかそう。エロと関係ないシーンでも胸ぐらつかんで、たぷっとブラジャーが露呈するのも判っている描写でしょう。全体的にエロいです。裏表紙の乳比べも良い乳なのを見せつけています。
ただ個人的に一番好きだったエロシーンは巨乳が縦横に使われているシーンではなく、荀攸・荀紣が割り振られた小悪魔的な双子が張飛を監禁しようとするも返り討ちにあってヤラレてしまうシーンです。張飛の
あははは!
という笑い声に詰られながら否応なく興奮する双子は最高でした。
以上。巨乳好きにとっては良いエロマンガでした。
- 没設定を含めた設定に関して
本書を購入するなら没ネタ設定資料付きのものをお薦めします。本書最後でおまけ“武将列伝”として明らかにされている裏事情は根幹に関わりまくっていて捨てられたのが惜しいのですが、没ネタも大概惜しいネタでした。
レズキャラの趙雲、ニートでヒッキーでハッカーな黄忠、金髪巨乳の呂布etc、語られなかったからこそかもしれませんが魅力的なキャラに見えます。白眉が最後に語られる孫権仲謀。ヤクザの娘でむっつりスケベで貧乳な○○○――と最強です。
使われなかったのが勿体無い限りですが、没ネタ設定資料の後書きで作者も愚痴っています。これ以上詳しくは書きませんが、良い形で日の目が浴びることになるのを祈っています。
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