楽々居輪治は45歳でニューヨーク在住でありながら日本で小説家デビューし、20年後に実家を預かるために日本へと戻ってきた。そのリンジが住む家に息子のマックスと、婿のヤスノリが遊びに来て、週末を過ごす――
65歳の小説家とその家族の日常を描く連作短編漫画。
空気が心地良い作品を上げる場合にはほぼ必須になる快作でした。
こうして父親が住む家を訪問し/長じた子供が遊びにきて、朝ご飯を食べたり、散歩したり、家電を買いに行ったり。
そして偶にあるちょっと特別な日――孫が遊びに来た時には手巻き寿司を用意したり、リンジがぎっくり腰になった時にはマックス一家が総出でお手伝いしたり。
互いに愛情を抱き、尊重して交流を深めていく。そういう穏やかで、愛おしいお休みの日々が連なっていきます。
次のお休みにはどういう日が待っているのか待ち遠しく、ページをめくって読むのが楽しい時間になっていました。読んで良かったなという作品ですし、今後もこの時間が続いていくのを願っています。
以上。個人的にはマイベストに入れたいぐらいに気に入りました。お薦めです。
ただ残念なことにこのある平穏な日常は2020年4月の今時分現実では破壊されてしまっています。ニューヨークと日本を行ったり来たりする生活や、多人数の交流が頻回になるのは避けた方が良い、ちょっと控えめに暗い時代へと。
ただ物語が現実に倣う必要なんて、そんなこと全くありません。ただでさえ理想的な形を、こいねがう家族の在り方を魅せ続けて欲しいです。
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