現代日本に生きていた青年・九郎は異世界転移し数十年過ごし、魔女によって若返って女体化して江戸時代に帰ってきた。身寄りのない彼は女天狗・九子として蕎麦屋の上に居候することになる――
8代将軍吉宗の江戸時代でTS女天狗として過ごす日常を書いた小説の第4弾。
個人的に今続きの出版を楽しみにしている同人小説ナンバーワンなのですが、その期待に大いに応えてくれる内容でした。
相変わらず実に面白い。
精神年齢90歳近いおじいちゃんのようなおばあちゃんのような九子が江戸時代でのんべんだらりと余生を送りつつ、かかわった人々を甘やかそうとする様子が生き生きと書かれています。
吉良上野介が赤穂浪士の討ち入りの日を繰り返し100数回以上死に戻る『オール・ユー・ニード・イズ・吉良』や47人の浪士が47万人に膨れ上がって江戸に大騒動を起こす『【映画化】元禄世ミリオン忠臣蔵~47万人の赤穂浪士~』とか書いて自己薬籠の忠臣蔵ネタを今度はそうくるかという方向で扱ってオーク顔のお庭番との珍道中に持ち込んでみるわ、歴史を先取りしすぎた花火を打ち上げて江戸の空を彩るわ、その江戸時代を楽しみながらほんのちょっと変える筆致の塩梅は最高でした。
ギャグも切れていて、特に熊は出先で読んでいたのですが腹がよじれるぐらいでしたし、般若心経もわらけました。
以上。快調のシリーズ。文句なしにお薦め。今後も続きを楽しみにしています。
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