葬送のフリーレン 1-3 雑感

 魔王を倒した勇者一行の一人、エルフにして魔法使いのフリーレン。彼女は魔王を倒した後、魔法を収集する旅に出た。
 そして50年後に流星を観に行こうと約束した勇者の元に訪れたが――

 戦後の物語。或いはエルフの時間 人間の時間――スケールの異なる生き方のお話。

 
  (1巻、kindle No.23)

 左の老いさらばえて背が縮んだ老人が魔王を倒した勇者です。
 たった数10年で人は老いて死んでゆく、という在り方。
 類稀な長命で感情が薄い種族のエルフが普通に生きていく上で得られない筈のものをフリーレンは師匠とパーティと魔王を倒す旅の10年から知り、一区切りがついた後の趣味のような旅路で再び世界と/人が生きる世界と触れ合っていきます。
 
 1話の時点で面白いと話題になり気になっていたのですが、今回契機(kindleを2500円以上購買で500円ポイント付与)があって3巻まで一気に購読した次第。
 いやあ、確かにめっさ面白かったです。
 1巻途中で取る予定のなかった弟子を取ってから戦後の旅が本格的となり、そこからもうあれよあれよという間に巻を置くのも惜しく読み進んでいきました。
 戦後というコンセプト、そしてエルフの生き方というコンセプトの2つを見事に融合した上で、市井での些細な交流においてもファンタジー大きな物語のネタにおいてもいずれもエピソードがしっかりと練られていました。そして銅像の錆を落とすとか花を咲かせるとか用途が限られた魔法の使い方には膝を打ちましたし、派手な戦闘でも捻り方が程良くてなおかつ見栄えが良い。
 未読の方がもしもいたら、騙されと思って題名を本編内で回収するまで読んでいただきたいところ。


 以上。旅の仲間が増えていく途中でもあり、過去も語り切っていない――おそらくきれないでしょうが――のでまだまだ取れ高充分。今後の展開にも大いに期待しています。

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 HP-葬送のフリーレン