女子高生2人をメインに、読書家の生態をネタとして扱う短編集の第4弾。
あるあるネタは当然楽しいのですが、読書するJK組――神林と町田の関係性は百合的に美味しいものがあり、それも新刊ごとに色濃くなっていくのでもうありがとうございますと言う感じでした。
最新巻の本作も大いに期待に応える出来栄えかと。
読書ネタではちょっとした本を巡る言い合いも楽し気ですし、「図書館の机の下でする読書」や「手ぶらで散歩する時の本の場所」とかでうんうん頷きます。キャラクタの関係で言えば曲者の遠藤君と内気な長谷川さんがちょっとずつ仲良くなっているように見えるのもによによします。
しかしまあ何より、町田×神林がやっぱり非常に良いのですよ。
お腹をなでたり、髪をなぜたりと重めのフックを軽やかに数発打った後に、イヤホンを2人で分けて音楽を共有する王道の「BGM」。
(P78)
この短編、オチの複数のレイヤにわたる哀しさが好みなのですが、今は置いておきましょう。
そこでほくほくした後、少し話を重ねてから、静かに始まる「渚にて」という短編。
神林が本に熱中してしまい、列車に乗り過ごして冬の海に来るという冒頭。そこで彼女は町田に対して、コミュニケーションアプリでメッセージを送ります。
(P91)
ここからの展開が、ほんっとに素晴らしい。
エモーショナル極まりありません。
これを読まずして何を読むのかというレベルですよ、もう。
以上。色々と堪能しました。続刊も楽しみにしています。
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バーナード嬢曰く。 (4) (REXコミックス)
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