GENETOS 感想

 進化するシューティングゲーム

 そう題されているようにシステムのあらゆる面で進化していくSTGとなっています。


 まず自機について言いますと、敵機を破壊すると出現する緑のアイテムを集めると自機が進化していきます。最初はインベーダー風で移動範囲は左右に制限され、ショットも2発しか打てず、威力も弱くなっています。しかし進化するごとに移動範囲・ショットも増え、威力を増して行きます。なので、いかにして速く進化するか、が大事なポイントになっています。


 次にボムですが、プレイスタイルによって分岐するようになっています。移動距離、残機数etcに拠るようで、自分のプレイスタイルにあったように進化していくと言えます。また“History”で条件を確認出来、次回のプレイに変化をつけるモチベーションにもなります。


 最後に敵&ステージについて。敵もステージも面ごとに進化して行き、敵の攻撃は多彩になり、ステージは最終的には3Dが用いられるようになります。


 以上の進化によって目まぐるしく、楽しいSTGになっていました。
 さて、実の所を言えば、それまでは個人的には前座。このゲームに最も感動したのは自機や敵の進化を果たした先からとなります。テロップが入り、ストーリーがゲームシステム自体に深く介入して来ます。それもまたSTGの進化であり、盛り上げる大事な要素の一つでしょう。シンプルな言葉を使って、シンプルに格好つける良さはSTGにしか実現出来ないんじゃないかと妄想してしまうぐらい。
 テーマの“進化”の意味を問う自省的なストーリーもSF的で素晴らしく、敵もストーリーにあった美しいビジュアルでプレイしながら惚れ惚れとしました。これ以上は詳しくは言いませんが、進化について考え尽くした後、ラスボスに出会う――。そこにストーリーとシステムの理想的な癒合の一つがありました。


 なお自機・ステージといったゲームシステム上の進化を縦STGの進化して行った歴史の概略としても追うことが出来るようにもなっています。スタッフロールで挙げられる“Respect Games”からもある程度目論まれているのではないかと考えます。自分がプレイしてきたゲームがどう当てはまるか、あるいは当てはまらず自分なりのSTGの歴史を思い描くか、そういう個々人の反応がまたSTGの理解を深めるようになりそうです。


 難易度はそこまで難しくはないでしょう。残機数は増えやすいですし、最終まで進化すれば今度はアイテムがボムのゲージアップに繋がるのでボムも溜まりやすくなっています。


 他のシステムも痒い所まで整備されています。特にFree playでレベルから自機のスピードといった細かい所まで変えられるのはありがたかったです。Historyでボムの選択も自由に出来るようになっていて、その為に様々な条件でプレイすることが可能になっています。最初のインベーダー風で最終面をクリア出来るのかとか、動き回れたらどうなるかとか実に興味をそそられます。



 以上。“進化”というアイディアがゲームに絶妙に反映された素晴らしい縦STGでした。フリーゲームですし、縦STG好きには迷わずお薦めです。

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