この巻は安達としまむらが付き合いだした後の話であり、修学旅行に赴きます。
しまむらの一人称の語りが多いのですが、しまむらの安達への心理的防御がただ下がっているのをこれでもかこれでもかと見せつけられます。なんでもある程度は受け入れてしまうのがしまむらの特殊性とされるのですが、『彼女』としてある程度以上を越えたところにラインが引かれた時のデレ具合は想像だにしなかった甘さを有していました。
それがほぼ全面に渡って披露されるので、なんというかまあ、こそばゆさの破壊力が凄かったです。
修学旅行から惹起された将来の旅の約束と、2人の将来にどんな未来が待つのかの夢想――そしてその幸せを想う予測は必ず果たされるという10年後の描写による肯定。
あるいは大勢の中の2人きりを迫ってくる安達に対してポリシーではない筈なのに、それを受け入れる選択肢を意識的に常に選んでいく覚悟。
あてられるで済まないあたられ方なのですが、白眉は集団でのお風呂シーン。
繰り返しますがお風呂。
初の、裸の、付き合いです。
「うむ」
そろそろ見ないフリも限界だった。
いよいよもって確信するときがきたらしい。
わたし、めっちゃ見られてる。安達にめっちゃくちゃ、見つめられている。
なんで、って考えるまでもない。わたしが裸だからだ……多分。
彼女だしな。わたしのこと好きだしな。
(安達としまむら8(電撃文庫)(Kindleの位置No.1561-1564))
ここからの振る舞いがねえ、やばいんですよ!!!!
よくもまあ直接的じゃなくても、でも今ここに在る身体は彼女のだけのものだという描写をまざまざと出来たものか。
ああ、もう!!!
といった感じに超悶えました。決して人前で読むべきシーンではないかと。
以上。最終巻と思いきやまだまだ続くようで、今後もどんな2人の描写で魅せていただけるのか本当に楽しみです。
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<既刊感想>
安達としまむら 1-7 雑感