ぱら☆いぞ1 感想

 奇人・変人・変態の学生たちが過ごす騒がしい日常を描いた4コマ漫画。下ネタが高じ過ぎてカオスになっています。カラーP最初のネタからし腸内洗浄なのですから、推して知るべし。
 そしてこのカオスの世界を読むのが目茶苦茶楽しかったです。どうしようもないダジャレから切れきれのセンスまで畳み掛けられる内に、アホウな学生たちに愛着が湧いてきます。氷を卑猥なものとして取るアイスマン子さんや、病んでる病田さんや、悪魔な呪田さんや、友達がいない朧さんや、超ピュアな番長etc、もう誰も彼も――スカトロマニアの“蝿の王”まで愛おしいような、そうでないような。兎も角も、ネタと結びついていそうでいない独特の可愛げのある絵によって、キャラが確固と立っていました。


 そしてキャラ立ちとネタによって作品世界に引きこまれたあたりで、彼らが学生であり、キャラをはるのに期限があることが顕になります。卒業という形で。彼らは否応もなく、下ネタまみれだった学生生活を終え、作品からフェードアウトしていきます。
 ネタのマンネリ化を防ぐためなのでしょうが、それはもう見事な卒業具合であり、ここでは作者のリリカルなセンスが存分に発揮されていました。
 顕著だったのが友達がいない朧さんの“問答ネタ”。朧さんがお題を出すと虚空からの声が答えるという大喜利系で、例えば

「深刻な若者の○○離れ
 さて何だろう」

 深刻な若者の脇コキ離れ

「……保留な」 

 という感じです。しかし連載を経て、朧が周囲と交わり、ついには友人が出来ることで、このネタは出されなくなります。直接的な関係があるかなしかは判りませんが、勘ぐりたくなる繋がりではないですか。加えてP21-22があるからこそ余計に思う所がありましたし、卒業して最早朧さんは――とまあ嬉し悲しくなりましたね。

 
 以上。たった1巻でさえ、世界に引き込まれて面白かったので、今から続きが楽しみです。次にメインを張るピュア番長がどう汚されていくのかを含めて。

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