『CHAOS;HEAD』のFD風味な続編の位置づけ。
本編で妄想トリガーによりタナトスなネガティブ妄想とエロスなポジティブ妄想を存分に繰り広げたにせよ、ヒロインとイチャイチャ(作品に準拠して以下“らぶちゅっちゅ”)するギャルゲーの空気は殆ど感じ取れませんでした。その原因として、シリアスであり、全員拷問で傷めつけられ、主人公の拓巳が痛過ぎるオタだったetc、様々あります。
本作では、終わらない夏、終わらない学園生活内で、本編で得られなかったそのヒロインとのらぶちゅっちゅに終始します(誇張表現)。『妄想爆裂ADV』というジャンル名の通り、妄想がネガティブになろうとポジティブになろうとヒロインとのご褒美イベントになります。腋を見ればらぶちゅっちゅ(嗅ぎ)し、臍を見ればらぶちゅっちゅ(嘗め)し、黒ニーソと見ればらぶちゅっちゅ(脱がせ)します。後は犬の鎖をつけられて散歩したり、色々と。
なんて、バカ――と思う訳ですが、声優ノリノリのキモいヒッヒッフー笑いで過去に死線を乗り越えた壊れたヒロインたちとアホなことをしていくのは正直和みました。楽しそうで良かったなあ、キミタチと。
しかし、やっぱり残念なことに。
視線が、空から降ってくる。
雨空の下、崩壊した渋谷で、あの終わり方をした続きなのです。何故急に夏になったのか、何故学生生活を送るのか、何故アニメ番組のヒロインである星来オルジェルを殺さねばならないのか、そして目の前にいる妄想を繰り広げたヒロインたちは何なのか、答えを求められます。拓巳が本当に生きる/生まれるために。
FD兼続編において“循環する時空間”を設けるのは常套手段なのですが、本作では設定と絡めた使い方が上手でした。
ただし、なまじっかフィールド生成の手段が上手いからこそ、不満も生まれます。特に各ヒロインごとの脱出方法。確かにあれ以外ありえないにせよ、もう少しヴァリエーションが欲しかったですね。締め方はギャルゲギャルゲしていて、本編が真に終わったんだなあと感慨に耽るぐらいには良かったのですが。
不満点をもう少し述べておくと、妄想イベントの文章が物足りませんでした。具体的にはねちっこさが足りませんでした。シチュエーションの勝利に流されて、匂い立つほど中身が描きこまれず、実質が軽くなっていたような気がします。エロゲではないと言われれば、それまでの話にはなりますがねー。迫真の拷問描写を鑑みると、生々しいエロスも成り立ちそうに期待してしますので、残念でした。
なお、最大級に残念だったのはビリビリに破けた服のヒロイン絵が皆無だったことです。いくら事情があろうとも、こずぴーのアレで我慢しろというのかと小五時間問い詰めたい。
以上。何はともあれ、本作をプレイしないと『CHAOS;HEAD』は終わらないというノリでした。本編をプレイされた方は是非本作のプレイもお薦めします。
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