キリエの異界漂流記 雑感

 対魔戦士の女生徒・キリエは修学旅行中に同級生と先生と共に異世界に転移させられてしまう。鬼が攻めてくる中、屋敷を根城に、生き残り、元の世界に戻るために奮闘する――


 というエロ同人RPG
 基本的にはキリエを操作し、マップを巡ってイベントをアンロックしていく探索パートと、接触式オートバトルの戦闘パートを交互に繰り返し、シナリオが進んでいきます。


 世界のデザインや設定は大味ですし、整合性も脇に追いやられます。粗はそれなりにあるのですが、やりたいことをやっていてやりきっている感が非常に強く、これはこれで良いと強く言い切れる良い作品かと。
 過去作において、段階エロで戦闘美少女がねちねちとやられて次第にだらしなく堕ちていく様を描き、サブキャラも全く別に段階を踏んでねちっこく落とされていくのも描写するのが特色でした。嬉しいことに、本作においても同様でした。
 同級生の中で唯一戦闘能力があり、冷静沈着でクールな戦闘美少女。その彼女が自らの意志で安易な道を選んで、あるいは洗脳されて本人の知らないうちに、あるいは脅迫されて選択の余地なく否応なしに、身体を弄られていきます。段階を踏み、徐々に身体の反応が良くなり、徐々に精神が快楽を求めるようになり、徐々に尊厳が穢されて落ちていく――その過程の積み重ねは実に興奮しましたね。
 ここで更に良かったのは、基本的に堕ちた姿を見せるのは堕とそうとした対象の前でだけであることでした。一緒に転移させられたけれども戦闘能力は一般人で、生き残るには彼女を頼るしかない面々の前や、戦闘パート時には快楽に狂いかけた/狂った姿を見せることはありません。凛々しい、頼れる唯一の華であり続けます。
 しかし基本的には――ということで、仮面を被って裏でめためたに弱っているのを隠し見るのにも興奮しますし、どうしようもなく取り繕いをしなくなって隠しきれずその他に露呈してしまう破綻にも揺さぶられました。
 ここも全くの全員におおっぴらになるのではなく、最初の落とされる対象以外の極一部であったことに趣がありました。例えば鬼に自ら負けに行って帰ってきた際に扉を守る生徒に見つかるとか、同級生のしかも女生徒に調教されてまた同じように洗脳された女生徒にさえ攻められるとか、鬼に装備を融通してもらうために身体を売っているのを異世界で友情を確かめ合った友達に見せるとか。尊敬して頼っていた対象が堕ちていることを自分しか知らない、その上で自分も好きにさせてもらう――という状況を必ず作るのが素晴らしい趣向でした。
 取り分け、一緒に装備や物資を探しに行こうと友達に誘いながら、こうしていたんだと融通してくれる鬼のものを貪る姿を見せて、その友達に「どんなに強くてもあんなんなっちゃうのねー」と軽蔑の目で見られるようになるシチュエーションとか超最高。


 そういう具合に戦闘美少女が快楽に負けていくのと、堕ちているのを一部が知っている状況が複数のラインで起きることで、閉鎖空間内で明言はされないけどこいつ実はやばいんじゃなかろうかという空気が漂うように感じました。
 段階エロと作品内の雰囲気との相乗効果が生まれていて臨場感が強くなっていたようにも思えます。
 
 
 そしてサブヒロインでも割と自由にエロイベントが語られ、しかもストーキングをステルスで行うミニゲームをしたり、どちらをNTRせるか選ぶサブシナリオがあったり、エロゲージをためるまで性行為をするためお爺さんを攻めるバトルファックがあったりとか、目線がちょこちょこ変わり飽きることがありませんでした。


 ただ戦闘パートは・・・正直今一つ楽しめませんでした。キリエがいくら強いといっても囲まれると倒されるので、キリエを囮にして釣ってきた敵を非力な同級生が複数人で拾った武器で攻撃する――という状況を戦闘システムとして落とし込んでいるのですが、キリエが先に進めば進むほど釣ってくるの面倒で面倒で。。結局イージーで終始プレイし、キリエ無双して終えました。
 第2拠点を途中に作るとかだと面倒さが緩和されて違ったかもしれませんが、このゲームの方向性が進化して楽しめるようになるかはちょっと判りません。


 以上。相変わらず良質な段階エロで、楽しめました。

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