新婚のいろはさん 1-6 雑感

 シュールな漫画を描く漫画家と年上の幼馴染との新婚生活を描く4コマ漫画。

 苗字が題名につくようなカップルがメインのラブコメ漫画は高木さんのスマッシュヒットでメインストリームと化し、まだまだ猖獗を極めています。出来が良い作品は数多くあり、個人的に大好物なのは間違いないのですが、そういう作品群においてシリーズとして巻を重ねるにつれてどうしてもサブキャラやサブキャラ同士のカップリングの比率が多くなることが度々見られます。作品世界の深堀と言えばそうですし、好感の持てるサブキャラ同士の恋愛はそれはそれで楽しく読めるのですが、うーんそこは求めてなくてもっともっとメインカップルだけ見ていたいしメインカップルだけを描けなくなったのならその作品は畳み時なのではと思うのです。
 そのカッポー/アベックの空気を延々と吸っていたい――贅沢な願いなのは重々承知ですが、勝手な想いを叶えて欲しいのも確か。なのでそういう作品に出会えた時の喜びは何物にも代えがたいものとなります。
 本作『新婚のいろはさん 』はそんな自分の理想の作品の一つで、カップル物のラブコメの傑作と言い切れる逸品。
 もう、ほんと大好き。
 主人公たちが何気ない会話を交わして、一緒にご飯を食べて、一緒の部屋に住んで、一緒に生きていく、日々の彼らのテンションが実に心地よいんですよ。

 (1巻 P45)

 (1巻 P96)

 久々に出会った幼馴染で、初恋同士で、気心が知れて、でも/だから結婚したことにちょっと気恥ずかしさがあるという絶妙なバランスはちょっと類を見ません。
 しかもバランスとテンションを保ったままこの夫婦でしか見せないような日常を延々と、6巻まで続いてもなおまだ浸っていたいと思わせるクオリティで描かれているのだから言うことなし。


 以上。ちょうお薦め。

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