スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース 雑感

 あれから1年と少し、新しいスパイダーマンとして世界の危機を救ったマイルズは進路に関して親とぶつかりながらヒーローを続けていた。久方ぶりに会いに来たグエンを追ってマルチバースの中心にたどり着き、スパイダーマンの真実を知らされる――

 公開翌日に吹替で観てきました。
 前作の「スパイダーマン:スパイダーバース」も吹替で観てオールタイムベスト級に好きになったのですが、今作は更に進化したアニメのクオリティを見せつけられました。

 や、ストーリーは単体だとほんとに中途半端です。
 完結している1作目の追加で作られた続編にしてあと2作ある内の前編という立ち位置であり、綺麗にまとまっていた前作をぶっこわして次作にむけて盛り上げる役割なので、しょうがない、しょうがないのですが、連続して3作目を見せてくれと言いたくなるぐらい終わっていません。

 それでもなお抜群、クール、最高に面白い!――とはしゃぎたくなるんですよ、これが。

 思春期のスパイダーマン――ヒーローの孤独/別の世界でスパイダーが生きていると知って触れ合ったからなおますそれと、親離れしようとする時期の誰も自分をわかってくれないという子供の孤独とを共に内服するからこその共感しうるヒーロー像。
 相対するマルチバースのスパイダーのやりすぎなくらいの物量と、ド派手で艶やかで生き生きとしてハイスピードでなおかつ見やすいアクション。
 序盤でやっつけるザコ敵に見えた敵が不気味に大きな存在になっていく構想の手つきの妙。
 前作でもあったアニメならではの次元とレイヤーとがごった煮となった映像表現。

 エンターテイメントとはこのことだと言わんばかりに、スクリーン一杯にぶつけてくるのです。
 わくわくするしかないでしょう。
 
 そうそう、あと本作をちょっとでも楽しんだのであれば好きにならざるを得ないキャラ、

 
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 スパイダー・パンク――ホービーについて。
 アナーキーなパンカーで言動はカオス、しかし自分の信念を貫く者としてはスパイダーの中でもすこぶるつき。
 格好良く描こうとしてかっけえのだから堪りません。大好き。


 以上。来年公開が予定されている3作目が待ち遠しい――

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