やがて君になる7 雑感

 好きにならないで。
 変わらないで。
 中心にいる燈子は身勝手な願いを周囲に押し付けながら、外の世界に進んでいき、彼女自体は変わっていく。
 だから、その報いは、願いの裏切りだった――

 
 という訳で、6巻では侑がとうとう想いを言葉にして燈子に伝えました。
 本巻では、修学旅行先で沙弥香が燈子に想いを伝えます。
 一方通行を願った燈子に反して好きだと伝え、燈子が自分を好きなのかどうかを問うたのです。

 だから、ようようにして、嘘も衒いもない剥き出しの双方向のやり取りが成就しました。
 本当の想いの相互作用は、身を切るものでした。
 先に伝えて、ただ一人深く深く後悔の物思いに耽る侑。
 薄々と返事を悟りながら、それでもと傷つくことを受け入れながら前に進む沙弥香。
 
 
 では、燈子がどう答えるのか――。
 まず一つの在り方は尊いものでした。
 もう一つ、そして最後の答えに向かって走っていく2人――燈子と侑。
 どのような恋の形として実を結ぶのか、次巻が本当に楽しみです。


 というような本編も素晴らしいのですが、喫茶店の店主と先生の大人カップルの過去話が披露されて、そちらも最高でした。


 以上。これまで何度呻いて叫びだしたくなったか判らないシリーズですが、本作の燈子と沙弥香のやり取りは本当に、こう、心にきました。読めて幸せです。

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<既巻感想>
 やがて君になる3 雑感
 やがて君になる4 雑感
 やがて君になる5 雑感
 やがて君になる6 雑感