同じ1日を繰り返す現象に囚われた人々、ルーパーズ。
8月1日を繰り返すようになったタイラは同じルーパーズの面々と同じ日をおもしろおかしく過ごしていく。
やがてループが終わるまで――
DL販売では1980円と言うロープライスであり、選択肢がないキネティックノベルです。
シナリオ・絵・音楽・システムなどなど全体の造りは丁寧であり、値段を考慮してあまり不満の湧かない作品でした。
特に絵回りは好感度が高かったです。
前から好きでしたが、原画の望月けいさんの絵が非常に素晴らしい。構図から人物まで決まっていましたし、それにちょっとベタッとした塗りも絵に合っていました。
音楽もKeyっぽくて良かったです。vocal曲は3曲もあるのですが、どれも流石の出来でした。
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シナリオはまとまってはいました。短い分量の制限下で100数回のループを描写し、序破急をつけた上できちんと物語を締められていました。それに竜騎士07さんらしい喋らせるだけでそれと判る暑苦しい主人公をもって、幾らでも悪意に落とせそうな所をぎりぎりで回避し続け、爽快な物語に仕立て上げたのもなかなかの手腕です。
個人的に感じた欠点は、短いにも関わらず退屈な日常描写と、登場人物が楽しがっているところが読者として楽しくなかった所ですかね。
なおラストは多分どちらともとれる――戻ってきたのか、戻れなかったのか――ようにしてみただけで、そこまで考察の余地はない気はします。
以上。なにはともあれ望月さん絵の作品が増えることを願っています。
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