名馬堂々。 雑感

 返す返すウマ娘のアプリが競馬への姿勢をがらっと変えました。
 それまで心底興味がありませんでした。強いて競馬関連の情報を目にしたことがあると言えるのは、ジャンプでマキバオーをちらっと読んだことがあるなとか、ディープインパクトが新聞で騒がれていたなあとかそういうレベルです。
 しかしウマ娘のアプリで競馬への取っ掛かりが作られ、桜花賞でソダシの走る姿に時めき、以降時間がある時にはG1はTVで観る、マキバオー全巻と馬ナリ1ハロン劇場は読んだ、ウイポ9・2021は買ったというミーハーが出来上がったのでした。 

 それでも馬券を買うのは我慢していたのです。
 打つとか買うとかなんてまっぴらだ、と。
 けれども凱旋門賞あたりで揺れに揺れて、天皇賞・秋でついに買ってしまったのでした。
 

 
 3冠馬が復活するでしょとコントレルメインとし、カレンブーケドールを入れた倍率高めので遊んぶという、良く判っていない買い方をしました。結果として念のためで押さえておいたエフフォーリアの単勝と1-5-9の3連複、5-1-9の3連単が当たったので賭けた以上のお金は回収出来ました。競馬初回の収支としては悪くない(5-1-9に100円と言わず、もう少しイッておけば・・・と心残りはありますが)。
 いやはや真逆自分が競馬に課金をするようになるとは。今年の3月より前の自分に言ったら、気が触れたんじゃないかと思うことでしょう。
 ともかく、この天皇賞・秋で勝てると勘違いするようになったので、これからも芝のGIは1回合計3000円の範囲内にしながら買い続けようかなと考えています。
 
 ただ矢張り全然ミーハーで、血統や歴史に関しては無知のままです。
 競馬そのものにはあまり関係がない「馬の世界史」は読みましたが、評判を漁ってリストアップした「競馬の世界史」「新版 競馬の血統学」「名馬を読む」「黄金の旅路」「馬はなぜ走るのか」は積んでいてまだ読めていません。ウマ娘が流行ってからの便乗本もちょこちょこ出ていますが、便乗本レベルのクオリティのようなので手を出しかねていました。

 なので血統や歴史が作るリアルの競馬の物語を味わい切れていなかったのですが、今回便乗本の中では良心的な部類に入る(この本は便乗本かどうかでは便乗本でしょう)この「名馬堂々。」を読んで少しその神秘に触れられたような気がします。
 ウマ娘に出てきた馬が多いのでなおさらですが、昔Numberのノンフィクションを好きだった身(沢木耕太郎も当然好きでした)としては、歴史を知るとばぐちとして非常に効果的でした。
  オグリキャップ有馬記念のラストランに至る熱狂に胸が躍り。
  ライスシャワーの京都との因縁と、ラストランになってしまった宝塚記念への想い――中距離G1を取らせる執念を知り、その結末に泣き。
  ウオッカダイワスカーレット天皇賞秋に、文章ながらレースの行方に手に汗を握り。
  ゴールドシップの破天荒さに笑う。
 名だけ知った名馬と人とレースのエピソードを存分に味わえました。

 また引退した馬の歴史を振り返るのではなく、記事が書かれた時点ではまだまだこれから走っていく馬についてその以降を調べるのも一興でした。
  鍛え上げられつつあるミホノブルボンはダービーを勝てたのか。
  メイショウサムソン天皇賞春秋制覇出来たのか。


 そんなこんなで疎い自分には楽しいムックでした。
 まだまだ競馬の歴史は膨大なので、これからゆっくり知っていくつもりです。

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 HP-<競馬ノンフィクション選集> 名馬堂々。 - Number PLUS November 2021 - Number Web - ナンバー