DEATH STRANDING 雑感

 デス・ストランディングによって世界は分断された。野には死へと引きずり込むBTが闊歩し、人の死体は2日以上放置されると対消滅する壊れた世界で、人は都市やシェルターに閉じこもった。アメリカが再度繋がれるために、サム・"ポーター"・ブリッジズは東海岸の都市から西海岸に向け、ただ一人で旅に出る――


 サム・ブリッジズを操作して、荷物を運搬したり、都市やシェルターを回って好感度を上げてアメリカに加盟させたりしながら北アメリカ大陸を東から西まで踏破していくゲーム。
 小島秀夫監督の作品は実はMGS PWしかプレイしたことがないのですが、完全新作ということもあって新規でも取っつきやすいかと思い手に取りました。
 そして11/8~11/30の間、総プレイ時間65時間でひとまず1周を終えたところです。プレイ最中は勿論、プレイしていなくてもふとした時に「次はあそこに行こう・ここの交通手段を開発して」とプレイ戦略を練るなど、この約1か月間かなり熱中させてもらいました。
 
 ゲームプレイの殆どは移動・建設・運搬の繰り返しに費やされます。
 そのサイクルがひたすら楽しい。
 都市やシェルターの間は当然整備されておらず道などなく、山河といった自然や、死へと引きずり込むBTや宅配物を奪おうと襲ってくるミュールが移動の邪魔をしてきます。そしてサムの運動能力自体は成長に従って持てる荷物量や姿勢制御の巧みさは伸びていくとは言え苛酷な環境に対しては控えめです。徒手空拳で立ち向かうのは無理があります。
 はじめは梯子とロープ――原始的ではありますが、段差を越えるには十分です。次にバイクやトラック――移動速度と範囲が広がっていきます。そして橋を作って流れが速く距離のある川を渡れるようにしたり、国道を再建して車両移動が格段に楽になったり、300-350mの2点距離を繋ぐジップラインを建築して高低差を簡易に踏破出来るようになったり。そして長距離移動の疲労やバッテリー交換に備えて、充電設備や拠点を作成します。
 移動しやすくなればその分、一度に運搬出来る荷物の量が何100㎏~tと増えるし、移動時間も早くなりピザも冷めなくなると、運送業務が捗ります。
 運動業務が捗れば、各地の好感度が上がり、使える資材が増え、作れる建築物も増え、より運送業務に力を入れられる、と。
 装備も整えば、移動最中に邪魔をしてきて脅威だったBTやミュールさえも資材の元になる贄へと様変わり。足りない素材を嬉々として巻き上げにいくことに。

 オンライン要素もゲーム内容に非常にマッチしていて、他のプレイヤのサムが通った道や、作った建築物や投入した資材はそれなりの密度でシェアされます。各地の好感度が上がれば、その分シェアの密度も上がり、共有される量も増えていきます。
 道なきはずの道も誰かが先に徴をつけてくれてちょっとだけ歩きやすくなり、一緒に素材を放り込んで国道作ろうぜ!とか、未踏の地のちょうど装備や車両のバッテリーが切れそうなここに充電装置を作ってくれていて大感謝とか、この山のここに梯子をかけておいてくれてありがとうとか、なにもない環境の強大な苛酷さもあり、緩やかに連携が心地良いものがありました。
 操作するキャラクタ・サムは結局一人です。赤ん坊・BBを胸に大事に抱えてはいるけれども、誰かと一緒に旅をすることはありません。独りではある――しかし確かに他の世界で同じように立ち向かおうとしている存在がいることは励みになります。
 そして多分、自分の行動――移動の道行き、建築、素材投入もまた誰かの役に立って、ちょっとした暖かい励みになっているんじゃないでしょうか。

 これらのオフライン・オンラインの自分のアクションの役立ち度がある程度可視化され、モチベーションが高く維持されることになります。
 それが、『イイネ』。
 ミッション毎に難易度と達成度でより高くランキングされるのでが、それとは別にミクロな評価としてポジティブな反応として『イイネ』が貰えます。
 NPCから配達に来てくれて/再び皆と繋いでくれて「ありがとう」と言われ、イイネをもらう。
 別プレイヤに対して建築物を建ててくれてありがとうと、素材を投入してくれてありがとう、立て札で励ましてくれてありがとうと、イイネをあげる。
 貰って上げてだからどうと言う訳ではありませんが、そのイイネが良いんですよね。

 そうして、まあなんですか、そのイイネサイクルに嵌ってしまえば、メインストーリーを脇にやっての配達中毒者が見事に出来上がります。
 言葉にすると何なのだろうと思わなくもないですが、大丈夫、やり始めさえすれば熱中します。

 
 あとはメインストーリーについてですが……、ゲーム内できちんと完結しているので、あまり言うことはありません。
 歴代ベストクラスで無茶苦茶出来がいいとか、面白い訳ではありませんが、風呂敷を広げてきちんと閉じた良いSFでした。
 

 落穂ひろい。
 ・個人的にはスピリチュアリストのシェルターに向かう移動でなぜかテンションがバカ上がりしました。雪山で周囲が見えない猛吹雪の中、断続的に打つセンサで地形を確認しながら地図で確認したラインに沿って登山していく。そして山頂に立ち、振り返れば日照り――あの瞬間の感動は忘れられないものがありました。
 ・ヒッグス戦の決着は演出で爆笑しました。そうそう、そいつをそうぶっ叩きたかったんだ!!
 ・対BT戦はミサイルぶっ放せようになってからの大型戦が楽しかったです。それ以外はうん・・・、そういう目的のゲームじゃないですしね。


 以上。楽しませてもらいました。

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