僕の心のヤバイやつ2 感想

 前にも書いた気がしますが、私は気になる漫画は基本的に単行本で購入派です。がっとまとめて読んでその作品世界に浸るのが好きなのと、1話1話の引きにやきもきするのがあまり好きではないことと、単行本を購入した時に新鮮な気持ちで読みたいことによります。
 取り分けここ5-6年は週刊雑誌を購入したり漫画喫茶に行って読んだりすることをしなくなり、余計に単行本一辺倒になりました。
 欠点として新しい作品や思わぬ拾い物に触れにくくなるのは自覚していました。その為大学生の頃までは漫画感想ブログを出来るだけ色々と漁っていましたが、それも忙しさにかまけて徐々に見るブログも固定され、ほぼ漫画の手を広げなくなっていきました。
 しかしここ最近になってネットで更新される作品が増え、twitterで宣伝や感想が意図せず目に飛び込むようになり(これも良し悪しですが)、新規作品へのアクセスが多くなりました。欲しい物リストに放り込んでおいて、kindleのセールでざっと買い漁るということを繰り返しているのが今の読書サイクルになるでしょうか。
 しかし生来の不精さと単行本気質による取捨選択を経て、現在webの連載漫画で更新日に欠かさず読んでいるのは2つに絞り込まれてしまっています。それが「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」と、本作「僕の心のヤバイやつ」です。


 僕ヤバは実は正直1巻はぴんときませんでした。主人公の少年・市川くんの中二病がストレートに痛すぎて楽しめませんでした。
 しかし作者によってtwitterで発表される4P漫画でころっと転がされました。



 ――なにこれ、ヤバくない、と。
 今はもう色褪せても心に刻まれた忘れ難き思春期のあわいを物の見事に形にしやがったのです。
 嘗てそういうことを妄想していた。
 嘗てこういうことを想像していた。
 ああああっと頭を抱えて転がりたいけど、にやにやと笑いたくなる、絶妙の急所を打ち抜かれました。
 
 そりゃもう目を離せませんし、好きならざるをえません。
 そしてtwitterの更新で渇きを癒しながら待望していた本作/2巻が発売されました。


 感想?
 もう堪らんと、ええ、非常に堪能しました。
 キャラクタとセンスの強度によって織りなされるある種理想の思春期の結像。

 kindle No.131)

 これは自分にとってある種の救いとなる作品に近くなっているのかもしれません。


 以上。仰々しく言葉を並べてきましたが、普通に面白いので未読の方はぜひぜひ。ちょうお薦め。

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