1年の束の間の平穏後、ナナリーとゼロが突如拉致される。
彼らが消息を絶った砂漠の傭兵王国で、別々の目的をもって集ったC2とカレンが再会し、再度物語は動き出す――
2008年に本編が完結し、劇場総集編やスピンオフはあれど、あの結末の直接的なその後は10年描かれてきませんでした。今回とうとう完全新作が、しかもルルーシュが復活すると銘打たれた題名をもって公開されることになりました。
2019年2月9日公開初日にちょっと無理して観に行きました。と言うのもリアルタイムに非常に嵌った作品であり、自分の眼以外をもって『どうルルーシュが復活するのか』を知る訳にはいかなかったのです。
そして、その甲斐がありました。
コードギアスを観に行って、コードギアスでしかないものが出てきたのです。それも満点以上の。
スピード感溢れるエンターテイメント――けっこうな無理をわりとノリで押し通す所も含めて――は健在でした。
嘗てゾッコンに嵌った作品が何も変わらなかったように、10年のブランクがなかったように同じようなテンションで走り出したのです。無理な気負いを感じさせず、肩をむやみに張らず。
だから、受け取るこちらとしても、もうノリにノルしかなく。
こういうのが好きで、ああも愛した作品を今もまた新たなものとして楽しむことが出来た、その幸せに作り手に最大限の感謝を捧げたいです。
さて、まず何よりも。
その傲岸不遜な言葉を再度どう聞けるかが視聴前の大いなる興味でした。
観るとわかりますが全く勿体ぶりません。ガンガンと展開していきます。無駄に長引かせず、目玉を大前提にしてから走りだすスピードが実に良かったです。
ただですね、矢張り心が躍りました。
第1話――敵の銃口に囲まれ、C2が撃たれ、訳もわからず理不尽な暴力に憤った、魔神の始まりの日。
物語が再動するにあたってリフレインするのは当たり前で、あの大見得が再度切られるのも当然ではありますが、期待に期待して期待を重ねた、その絵の格好良さといったら。
待っていた、ああ待っていた――その想いが爆発しました。
それからをあまり詳しく言っても野暮なので言いませんが、C2は本妻だし、カレンはポンコツ可愛いし、咲世子さんが忍者で、スザクが面倒くさいメインヒロインだしと、いつものでした。
観たい映像――ルルーシュが命じて作戦を立てて調子に乗って突き落とされ、スザクが『生きる』バーサクモードになって、カレンがお色気要因で、とだかいたい網羅していました。
見せ方も気が利いていました。ルルーシュが生き残れと命じた時に、スザクの操作桿を握る手が映り、ゆっくりと顔の方にズームが登っていき――目が赤い、とかこれよこれの極みでした。
重ね重ねになりますが、これこそがコードギアスだとしか言いようがないものをきちんと見せてくれたのが素晴らしい。
好きなシーンを上げればきりがないのですが、個人的に一番心にきたのはナナリーとルルーシュの最後の場面。
あの涙に、涙しました。
以上。コードギアス大好きということで締めとします。
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