魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st 雑感

 そんな訳で魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st見てきました。とらハ3とファンディスクはプレイしていますが、魔法少女リリカルなのはTV版は未見で、これがほぼ初リリカルなのはでした。
 以下で気になった点を幾つか述べてみます。基本的な事項かもしれませんが、お気になさらず。あとネタバレ注意。


・変身シーンのバリエーション。
 初めの変身は当然ガジェットと流れをじっくり見せます。裸を見せるのもお約束。それで次の変身は普通に立ち止まった状態から、3回目は走りながら、そして4回目――運命の少女と決着する時は空から落ちながら。そういう変化の仕方は見ていて楽しかったです。ただ要所要所で変身シーンを見せるせいか、フェィトの変身の方が印象に残りやすかった気がしました。
 裸という観点から見ると、なのはがちっこい裸身を反りながらレイジングハートを掲げる場面で、お腹や腰の肉付きが見事にお子様でおおっと思いました。


・スターライトブレーカー。
 あれは死ぬ。


・フェイトの設定。
 造られた命で、なおかつ模倣に失敗した模造品。しかもキャラ造形は金髪ツインテールで、外に感情を表すのは苦手だけれども内では色々と考えて気にしいで健気な性格。それでデザイナーズチャイルドという設定から推測出来るストーリーを辿ります。何故プリシアは事故以来性格が変わったのか、何故フェイトに向かって異なる名前を呼んだのか、何故フェイトを痛めつけられるのか、何故ジュエルシードを集めるのか、伏線がとうとう訪れる拒絶を生みます。どん底からの再生に感動しない訳がありません。涙腺に直撃でした。ただ、ぼろ雑巾のように使い捨てられるやる瀬なさを出すには尺が足りなかった気がします。替わりに植え付けられた幸せな記憶が今を苛むので悲痛さは充分でしたが。
 デザーナーズチャイルドについて付記すれば、同一を作る模倣から外れたということは、もう別個のそして確固たる一つの生命体です。下手になぞっていては道化で、誰も幸せにならない。つまりはそれまで彼女に取っては全てだった生/幸せを否定して、きみ――フェイトは生きているんだと誰かが言わなくてはなりません。


 だから、なのは。
 彼女はまだ小学3年生で、利発な女の子で、前途洋々で、つまりはまだ何も決まっていない不安定な状態です。優しい家族と友人に囲まれ幸せな生活を送りながら、漠とした不安を抱えています。原風景は人が集まるはずの居間で一人ぼっちで膝を抱えている、そんな広場の孤独。明るく鬱屈していた彼女が駆動するには異世界の力と、寂しそうな可愛い女の子。彼女が選んだわけではない家族や友人から離れ、彼女が選んだフェイトを助けることに只管没頭していきます。

 「友達になりたいと思った」

 敵対しても、振り向かなくても、ぶっ倒して声を聞かせてやる(意訳)、そのための力と素質だったのだ、と。
 段々と妄想が入ってきましたので止め止め。
 なのはの性格分析は多くの方が鋭い文章を書かれていのでこれぐらいにします。


 ただ、これまた尺の問題でなのはの理由付けに説得力を付け加えることに成功していたとは思えないのですが、まあ全てが説明されなくていいのだと取ることにします。運命――フェイトがなのはに求められた、それでいいんでしょう。それにしてもTV版では上手く説明されているんですかね?


・デバイスの英語
 なのはが英語を理解しているか、意味が頭に伝わっているかのどちらかでしょう。何で英語かと言えば、雰囲気作り以外思いつきません。何せ、Stand by readyとか格好良すぎます。魔法少女の技にはカタカナがよく似合うということで。
 一番トキメイたのは最終決戦でフェイトがなのはを助けに来る時に繰り出される技です。デバイスが硬質な声でThunder Rageと銘打ち、魔法少女が可愛く気高い声で「サンダーレイジ」と追従して叫びます。これに震えないで何に震えるのか。


・なのはの戦闘美少女としての開花。
 最初の近接型の構えに小太刀二刀御神流の息吹を感じました。つまり真の閃は魔法の力を借りて今ここに結実した、と。――こじつけですね。


・ラスト
 改めて出会って赤面して、

 「名前を呼んで」

 名前を呼び合って、ともだちになって、泣き合う。ストレートさに感動しました。
 しかし逮捕されて裁判受ける人を待つ女って、どんなヤクザ映画でしょうか。


 以上。取止めも無く語ってみました。総じてかなり面白かったです。上映期間中に時間が空けば、もう1回見たいですねー 

  • Link

 魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st 公式サイト