ちがう宮原おまえじゃない! 1 雑感

 雪比良さんのことが好きな中学男子・有馬は彼女と仲良くしようとするのだが、その都度幼馴染の宮原に邪魔される――

 男子中学生の思春期の煩悶を描くラブコメの第1巻。
 好きな雪比良さんを振り向かせたいけど、気心の知れた幼馴染の宮原が雪比良さんの親友でもあるため近くにいて、雪比良さんに近づこうとすると宮原がざっくらばらんに声をかけてきてしまい、

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 緊張しいしいで雪比良さんとは上手く話せないし、宮原とは気安く遠慮なく会話できるけど、今話したいのはおまえじゃない――と毎回毎回悶えることになります。

 ただここで重要なのは別に有馬は一般的な男子中学生程度に女子の幼なじみに対して素直になれないし、恋愛的に好きだと思っているのは雪比良さんだけど、別に宮原と仲が悪くはなくむしろ良好で邪魔に思うけど邪険にしたいわけでない、という点です。

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 放っておけないし、会話し出したらテンポ良く言葉を連ねてしまうし、宮原と遊ぶのもこれはこれで楽しい。ただそのうちに雪比良さんと仲良くしようとしたチャンスは流されてしまった、次回だ次回――という繰り返しがにやにや出来るラブコメシチュで大満足でした。
 
 そんなこんなで全体的かわいらしいんですよ。
 有馬の中学男子の素直になれなさと根の善良さも、性別を超えた幼馴染として距離が近い宮原の無邪気な言動も、そして雪比良さんのちょっとだけ気になる男の子が幼馴染を優先しているのに思うところがあったりなかったりしそうな様子も。
 ターニングポイントは宮原が恋愛的に目覚めてしまうかどうかでしょうが、今後も長く続いていくことを期待しています。


 以上。また一つラブコメで好きなシリーズに出会えましたね。

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