淫界人柱アラカ~JK退魔師ホラー探索RPG~ 感想

 退魔師をしている恋人・アラカがとあるビルを調査中に姿を消した。"あなた"は恋人を探すために、悪霊蠢くビルへと足を踏み入れる――

 前半ではサイコメトリーの能力を有する"あなたを操作し、廃墟ビル内を動き回り、残されている物品から残留思念を読み取り、アラカが今どこにいるのか、そして何が起きたのかを探索していくことになります。

 

 ビル内は暗くじめっとし(設定によって明るくは出来ますが)、蠢く虫や血飛沫、誰もいない筈なのに鏡に映る影、振り返っても誰もいないのに追ってくる足音、などなどホラーのツボをきちんとついてきます。マップに散在する生理的に嫌だったり得体の知れないナニカを逐一発見していき、正気なら近寄りたくないそれらをどんなに嫌でも触れて残留思念を読み取り、その恐ろしい場所でどんな怖ろしいことが起きたのか追体験し"誰かの記憶"を集めていきます――たとえそれが恋人のアラカに起きたおぞましいことであっても居場所を見つけるためにも怖いものから逃げない勇気をもって目をそらさないように。

 そして後半では退魔師のアラカを操作し、迎えに来た"あなた"を助けるために悪霊と戦闘していくことになります。前半の"あなた"のプレイがアラカを導くので、前半の探索の見落としのなさと残留思念の網羅性が重要になります。

 エロの趣向は無理やり落とされる無様エロ系メインで、質量ともに十二分に用意されています。
 前半ではサイコメトリーしたホラーちっくなエロ(ゴアやグロではありませんのでそちらが苦手な人も大丈夫かと)、アラカが悪霊と戦闘中のちょっとした戦闘エロと負けて無理やりされるのと、戦闘を避けるために自ら悪霊に身を捧げるものが中心になります。蟲とかありますが、無理やりでも快楽系に流れていくのでそこまで人を選ばないんじゃないかなと思います。
 インフレしていく行為の回数と体の開発度、どれだけ無様な状態なのか段階をおって客観的に記録される観察日記といった用意されたフレーバーもどれもこれもゲーム性と結びついて素晴らしいクオリティを発揮していました。
 あとはエンディングを迎えてからタイトルに出現する『人柱の末路』が最高なんですよ、これが。延々と人柱になってからさいなまれる描写が続きアラカが悲鳴を上げ続けるだけなのですが、その永遠の快楽という責め苦の表現に感動しました。

 エロもそうですが文章と構成は全体的に非常にレベルが高いです。
 特にバッド・・・うーんトゥルーか呼称に悩むのですが、タイトル画面に至るエンディングルートでの淫らなお経をかますくだりのぶっ飛び具合は稀に見るものであり、一見の価値大いにありかと。
 
 現時点で10000本以上売れるというスマッシュヒットを飛ばしている作品であり、今更感はありますが、ちょう傑作と断言します。
 もしも貴方が未プレイであれば、ギミックは知らずにプレイするのが吉なので是非是非プレイを。たとえホラーが好きくなくても前半のホラーパートスキップ機能は初回だけは使わないのを強くお薦めします。
     





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 さて。
 個人的にはギミックに滅茶苦茶引っかかりました。というか引っかける気満々であり、まず絶対引っかからない人いないでしょう。
 いやだって、探索パートってそりゃあ色んな場所をクリックしますし、ホラーな動きを見せる場所は何度かクリックして何が起きているのかとか繰り返すごとに新しい反応が起きないか確かめるじゃないですか。
 まさか、それが運のつきとは。
 ”あなた”が探索で網羅的に調査している時、アラカは裏で”あなた”を襲おうとしていた悪霊から助けるために身を張っていた、のが明らかになった時には喝采しましたね。
 "あなた"がアラカを探すために取った行動のほとんどは、アラカの足を引っ張っていたのだ、と。
 余計な行動を取ればとるほどアラカは助けようとして汚れていき弱体化し、外せないデバフが重なり、やがては悪霊に勝てないようになり、雑魚の悪霊とは体を売って避け、ボスの悪霊には敗北必須で体も心も汚されていきます。
 前半探索ゲー、後半弱体化ゲー――2つの要素をこうまで物の見事に融合させるなんて。こういうゲームに出会えるのですから、DLsiteでの同人エロゲを漁るのを止められません。


 以上。オールタイムベスト級の傑作。迷わずお薦め。

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