前巻の感想はこちら→あまんちゅ!2 感想 - ここにいないのは
この感想の最後で“てこの目を通した海の中が見られる日を待っています”と書きましたが、その期待通りであり、期待以上の情景が描かれていました。そう、この3巻目ではてこがプール講習を何とかクリアし、初めての海でのダイブ――オープン・ウォーター・ダイバーに挑戦するまでがみっちりと繰り広げられました。
と内容に言及する前に、諸々から。
まず表紙絵。顧問の火鳥先生であり、爽やかな空に浮かぶ飛行船であり、生徒を呼ぶような笑顔であり、良い乳です。2巻目は良いお尻でしたし、良き哉良き哉。
次におまけ。天野こずえ先生の「あまんちゅ!」3巻発売!!特製両面イラストカードプレゼント!! とあったのでとらのあなで購入したのですが、表紙絵のクリアしおりも選べましたし(これはとらに限らないでしょうが)、良かったです。選んだしおりは悩む間もなく2巻の表紙絵なのですがねっ。
では内容に行きます。海洋実習の前のプール講習は他の部員はクリアしているためにてこと先生のマンツーマンで行うことになります。で、大体問題なくレギュレーターリカバリー→マスククリアーとこなしていくのですが、最後の最後でてこは実は泳げないとさらっと重要な事実が暴露されます。
そりゃあマスククリアー苦手だよなあとなるのですが、泳ぐ代わりに先生が課題を出すことになります。この泳げないから代わりの課題の出すという流れに、火鳥先生の性格の人間的な甘さときっちりとしたインストラクターとしての冷静な判断が出ていました。
どうだ
できるか
てこ?
(P43)
出来なかったら――、と。課題に対して、てこなりに努力するのですが、その姿の健気なことといったら応援しない訳には行きません。ここでてこを心配して胸の前で手を合わせるぴかりの可愛さも光っているんですがね。
そして、
おめでとうっ
(P52)
彼女は海への第一歩へと至ります。
初めての海。語られる章題は“第17話 蒼の世界へ”“第18話 海の祝福”。彼女が何処へ行き、何を得るのか、そこで既に十全に語られています。後は只管に初めて海に潜る少女の心に沿うように、或いはただそこにあるものとして圧巻の絵で――海が披露されます。
掴む綱と、立ち上る泡と、深い蒼。
そこに向かい、バディと手をとりあって降りていきます。底から見上げた光景はこれまた素晴らしい表現をされていました。
…またね
(P162)
これから彼女が何度でも潜るだろう海の光景にして、たった1回しかない初めての海だと納得しました。
後は青春。素敵な台詞を言いまくって、身悶えしまくれば良いんですよ。
以上。てこ巻でした。さて、これからまだまだある夏に彼女たちがどう潜っていくのか、次巻以降も楽しみです。
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