アリア戦記 感想

 ロリ体型の黒エルフ・アリアが人を襲う人形や村の近くに落ちた隕石などの事件を解決していく内に性的な陥穽に堕ちていく――というオリジナル同人18禁RPG


 本作の特色は段階エロの優秀さにあります。
 段階エロは、あるシチュエーションで回数を重ねて性的な開発度合いが上がるにつれ、反応がより強くより従属的になるというもので、ゲーム要素のある18禁ではありふれた手法です。ただその手法の使い方が非常に上手く、ねちっこいエロさに繋がっていました。


 主人公の黒エルフ・アリアは性的なことに無知で真面目で無愛想であるものの素直な性格です。とくれば、その素直さにつけこみ用事や偶然にかこつけて尻や胸を触られ、いつの間にか身体を開発され、精神的にも性的行為へのハードルが下がり、興奮を求めるようになるのは自然な流れかと。
 またアリアの友人のルリはこれまたロリ体型で優秀な魔法使いなのですが、プライドが高い性格をしています。ただ心の奥深くに過去の事件からM気質が潜んでおり、様々な手腕で徐々に性的な快楽に脆く従属しやすい面が掘り起こされていきます。
 もう一人のサブヒロイン、リーザは豊満な体系をした人妻で厳格ですが、夫が性に淡泊で熟れた身体は自覚しない欲求不満で満ちています。一見気高い彼女が断れない手口で身体が慣らされ、今まで不満に思っていなかった性的な欲求に苛まれ、堕ちていくのもむべなるかな。


 そんなヒロインらの身体を狙う男性陣らは複数いるのですが、誰もかもが最初は彼女らに欲望を向けることに関して立場や力関係で大なり小なり引け目や負い目があります。
 けれどもヒロインらに性的な行為を少なからず出来るようになったら、性的な行為がエスカレーションするとともに引け目や負い目を持った彼女に対してそのような行為をするのが当然であるのだ――と意識が変容していきます。その最初からは予測がつかない上位の立場になった変貌はヒロインが堕ちていくのをより鮮明にしており、非常に良いアクセントになっていました。


 1回目、2回目、3回目…と段階を踏み、凛々しく穢れないヒロインらが性に堕ちていくシステムを存分に活かすシチュエーションもまた優れていました。
 例えば、地下室に閉じ込められ、脱出のために壁を掘り進めながら、1日1回は必ず2人の男のどちらかに絶頂させられないといけない――というシチュを経験した時には感服しました。男同士の性行為の巧みさとヒロインの従属させ度合いの張り合いと、合間で翻弄され意にそまぬ絶頂を繰り返すヒロイン――いやあ素晴らしかった。
 あと、基本的には男性陣らというかヒロインを攻略しようとする面々は連動しないのですが、ルリが性的に花開く過程にちょう興奮を覚えました。ルリはプライドが高く、サキュバスの営むエロマッサージ屋で密かに体が開発されようとしても蕾がほころぶことはありませんでした。しかし宇宙人に――ここはツッコミどころですが――誘拐され、繁殖のための実験を数日繰り返され、その過程で無理矢理に初めて性的な絶頂を味合わせられ、また何度も何度も何度も性的実験が繰り返され遂には心が屈服するところまで至り――唐突に開放されます。異種の艶技にも負けなかった硬い身体が異星の技術に圧倒的な敗北をきたし、以降は浮浪者にさえも簡単にヤられていくという流れの無情さが何故か非常に心がトキめきました。なんででしょうかね?
 そう、付け加えるなら全体的に身体が快楽を覚えているパターンがほとんどのため再演に弱い――というのも繰り返しエロに良く合っていました。


 絵はたまに粗いものの良かったです。特にロリ体型のエロ絵はあばら骨の表現が最高でした。


 戦闘とメインシナリオはフレーバー程度で受け取っておけばよいかと。ファンタジー世界に宇宙船が降りてきて村に共存するセンスは凄いと思いますが、そこに大きな物語としての質に多くを求めるのはお角違いでしょう。
 しかしメインシナリオが終わってから、エロ開発度合いが高い状態で村を歩き回ってエロ回想を回収できるのは良かったですね。そういうの好きです。


 以上。質量ともに堪能しました。ねちっこいエロが好きで、ちょっとの手間を惜しまない人にお薦めです。

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