TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 3 雑感

 これまでヤンデレのアラクネやはた迷惑な妖精に魅入られて来て、今度はショタコンの幽霊と、親友たる中性人と出会う――

 1,2巻で偏執的なスキルビルド描写と異種間慕情によってこのシリーズをがっつりと好きになったのですが、我慢していることがあります。
 先が書かれているweb版を読まない、と。
 や、絶対楽しめるのでしょうが、発売日を待って新鮮な気持ちで楽しみたいんですよね。なので3巻がちょうど出ようという頃に嵌ったのはなかなか悪くないタイミングだったかと。

 さて、本作も最高でした。
 まず異世界描写に惚れ惚れ。
 帝国の首都の地下に数多存在し少しでも事故ると都市が吹き飛ぶポテンシャルを持つ魔術師たちの工房に昇降機で降りていくというイメージ。――いやそういう画、大好き。

 そしてクエスト、遭遇する敵は数え切れぬ不死者たち。
 謎解き、マッピング、バトル・バトル・バトル――これぞ王道という冒険譚。
 なによりクライマックスのバトルは滾りました。
 主人公の戦闘ビルドの現時点の到達点、<見えざる手>を6本使って複数の武器を操る我流刀法。

 苦痛を意志でねじ伏せ、無茶すんなという本能にもすっ込んでろと罵声を浴びせて術式が完成。六つの腕が主を討ち果たされて転がっていた武器を摑み上げ、〈戦場刀法〉によって各々最適な構えをとった。
 (RPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す3 ~ヘンダーソン氏の福音を~(オーバーラップ文庫)(Kindleの位置No.4547-4549).)

 強敵と書いて無理ゲーと読むボス戦で、魔法剣士の異形の戦い方を存分に記される戦いぷりは、本当に格好良い。


 あと今回のifエンドはこれまでにも増してハッピーに近いのではないかという物で、新キャラのミカの魅力がマシマシでした。
 でもきっとこれから本編でもミカが更に活躍してくれるのでしょう。
 境界線上のクロニクルもそうでしたが、中性ヒロインって――良いよね。


 以上。新刊は期待に違わぬ面白さでした。ああっ4巻が待ち遠しい。

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 HP-TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す ~ヘンダーソン氏の福音を~|株式会社オーバーラップ
 

 <既刊感想>
  TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 1,2 雑感 - ここにいないのは