冴えない彼女の育てかた Fine 雑感

 公開初日に舞台挨拶ライブビューイング付で観てきました。
 

 やばいやつでした。


 萌える棍棒でぶん殴られ、どろっどろに濃い糖とスパイスの沼に沈められます。
 何か握りしめるものを持って行けというアドバイスは正しく、殴りつける壁が必要でした。
 少なくとも1回目を観ている顔を人に見られたくはありません。――他人のとめどなくにやけた顔を見たい人もそうはいないでしょうが。


 内容とはしては公開前日のインタビュー(【コラム】 10/26(土)公開!劇場版「冴えない彼女の育てかた Fine」丸戸史明インタビュー 「ヒロインが可愛いという価値観は、どの世代にも揺るぎない事実」 : アキバBlog)である通り、実質3期です。
 原作の8巻以降、英梨々と詩羽が引き抜かれてからの新生『blessing software』の新作製作の苦難の日々を倫也と恵との2人の関係に焦点を合わせて再構築しています。
 2時間に原作を詰めたその調整の結果として、恵の萌え度天元突破していました。
 原作で重さ、めんどうくささ、じれったさで見事な恋愛ヒロインとして結実していましたし、アニメでも原作に輪をかけた美少女としてキャラが立っていましたが、劇場版に至って映像と声と展開と全てが合わさった情報の密度によって恋で華開いた様を紡がれてとんでもない魅力の存在に昇華しやがっていました。

 繰り返しますがなんせ本作は、あの2期11話、泣く倫也を前にして抱きしめようとして、躊躇した恵の続き。抱きしめる行為が選択肢に入ったヒロインの、その先です。
 深夜のまったりとしたビデオ通話で、ラブコメを作ろうとするフィクションと付き合う未満の男女の会話のリアルが入り乱れて天秤が揺れながら平衡を保つ場で、恵は早々に自白します。フラグがいつ立っていたか――フラグが立っていたヒロインがどうするのか。

 最高に萌えるヒロインにする――
 最高に萌えるヒロインにしてね――

 そのように彼と彼女とは動き、互いに意識していき、そうなろうと振る舞っていきます。
 そろそろ語彙が死にますが、ビデオ通話のやりとりはもちのろん、サンドイッチはやばかったですし、コップを掴んでのようようの心情吐露も、響き渡る「なんだかなあ」もやばかったですが、起承転結の転の後、あとは倫也と恵の感情が爆発するしかないシーンが凄まじい。


 片目空き。

 
 せーの。


 ――ふざけんな、なんなんだ、あれ。
 死ねというのか、死にましたよ。


 ・・・何はともあれ、そんなこんなで恵の魅力に萌え転がった2時間でした。
 劇場で観て良かったですが、観る姿勢に関しては個々一考を案じてください。マスクは持っていっても良いかも?


 落穂拾い。
 ・後半の英梨々パートは泣きそうになりました。ほんと頑張ったなあ、きみ。
 ・Cパートは必見。クレジットの歌で一つ出てきていないのがあって首をひねりましたが、見事吹き飛びました。冴えカノ2とは・・・・(いや違う
 ・特典小説1週目は原作1年後の短編でした。これまた甘すぎで美味しくいただきました。えーと、このクオリティだと、毎週行かないといけないんですが・・・。
 ・舞台挨拶は大西さんと茅野さんのトークが上手かったですね。あと落ちたイヤホンを刺すのにきゅんとしました。



 以上。傑作萌え映画でした。

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 OHP-劇場版「冴えない彼女の育てかた Fine」| 10/26(土)公開!