焼いてるふたり 1 雑感

 ――クールビューティは、好きですか?

 ラブコメはありえるありえないの話ではなく、どれぐらいありえて欲しいかどれだけにやにや出来るかを重視しています。
 マッチングアプリでデザイナーをしているクールビューティ――しかも性格が良くてすれていない――とマッチし、東京から浜松に転勤になるとこれっきりになることを覚悟で切り出せば付き合うのをすっ飛ばして結婚を申し込んでくる、そして毎週の逢瀬/週末婚を"互い"に楽しみする。
 結婚したからといってそこから仲を深めていくので、手を繋ぐところから始まり、性交渉はほど遠い。しかもなかなか会えないので、なかなか進展しなくて、ただ待つ時間で互いへの想いは募っていく。
 生々しさは乏しいです。
 ひたすらに、舞台が整った後はBBQ好きの主人公がクールビューティの胃袋と心を掴んでいくラブコメが展開されていきます。
 それが、良い。

 (Kindle No.67)

 初めてのお泊りで、主人公の家で寝入ってしまいすっぴんを恥ずかしがるヒロインの本当にすれてなさに、こういうの良い!!と叫びたくなりますし、クールビューティがクールビューティでありながら素の顔を見せてくれて、なおかつ親しい人間に見せる顔を魅せてくれるのが非常にきゅんきゅんきます。

 白眉はkindle No.103、ページ数で言えば100ページ目。
 親しい仲にも礼儀ありだけど、出物腫物を露わにするのも共同生活だし気の置けない関係の一歩だよねと。
 つまりは腹の音です。
 クールビューティが腹の音を鳴らすラブコメを傑作以外どう評せばいいのか、自分は知りません。


 以上。その後の展開も優しい空気が続きますし、安心して読める最上のラブコメです。ちょうお薦め。

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 HP-焼いてるふたり|モーニング公式サイト - 講談社の青年漫画誌