NOVA10感想まとめ

@pub99: NOVA10購入
@pub99: NOVA10所収「妄想少女」読了。0。中年女性が中二病をこじらせて現実的なディストピアを生き抜く話。55歳女性の封印された右腕の面白うてやがてかなしき様が楽しい。
@pub99: NOVA10所収「メルボルンの想い出」読了。-1。メルボルンに取材にきたカメラマンが置いてかれ、街に閉じ込められたーー。インナースペース風の幻想小説。世界の異常が内面にリンクされていく過程のあやふやさの気持ち悪さは見ものかもしれない。
@pub99: NOVA10所収「味噌樽の中のカブト虫」読了。+1。会社の検診で頭の中にカブト虫が見つかったーー。文体は何時もの北野節で、職業が航宙士で脳に甲虫が育ったという下らないにも程があるギャグを飛ばしながらも、生命の危機と侵略の危機を伴った緊迫感のある展開が繰り広げられてギャップに惑う
@pub99: そしてラストのもう語り手には解らない結末の絵を一人称的に描写する美しくおぞましい様は素晴らしかった
@pub99: NOVA10所収「ライフ・オブザリビングデッド」読了。0。生前の習慣を繰り返すゾンビになったとあるサラリーマンが出勤する話。出勤までの大冒険ぶりとゾンビのダウナーさが妙な味を残すオフビートな短編。
@pub99: NOVA10所収「地獄八景」読了。+2。地獄と自意識とタンパク質の物語。驚いた、大傑作。束縛するものがない死後のセカイ/地獄で、タンパク質と生存の意識によりコード/縛られた幽霊が跋扈する。セラピーと裁判という機智に富んだ地獄巡りから、優雅な結末まで全てが豊潤
@pub99: 何処をとっても最高で、SFらしくないのに、どうみてもワンダーのセンスの塊だった。これが30年以上ぶりの短編とは。日本SF短編50で読んだ時は合わないと思ったけど、これは短編集を買うしかない
@pub99: NOVA10所収「大正航時機綺譚」読了。-1。落語調の語り口で書かれた大正時代のタイムマシン詐欺の顛末。衝撃の楽屋落ちといい、ノリノリで書いたんだなと。これはこれでSF短編ぽい。
@pub99: NOVA10所収「かみ☆ふぁみ!」読了。+1。脳内妄想の激しい美少女と恋をした――。シミュレーション物とか時間移動とか人類滅亡物とか様々なSFジャンルを飛び越えて、SFとラブコメを純度高く両立した。ひっくるめてこれぞラノベSFとしか言いようがない爆笑の傑作。
@pub99: NOVA10所収「百合君と百合ちゃん」読了。0。28歳を超えると強制的に結婚させられ同型の生殖器を付けた代理に生殖行為をさせる未来、百合好きの男と真性レズビアンとが結婚させられた――。代理の性行為を前にした二人の思考のすれ違いとほのかな共感の芽生えが良かった。
@pub99: 山本弘の 「シュレディンガーのチョコパフェ」とかと合わせて、いつか出るだろうと妄想しているオタクSFアンソロジーの候補作かな
@pub99: NOVA10所収「トーキョーを食べて育った」読了。核兵器により汚染され荒廃した地球で子供たちはスーツを着込んで外を走り回っていた――。欧米的なディストピアへ、日本のサムライとかエドとかサコクとかへの回帰ではない物理的かつ精神的な喪失が異分子として侵入する様は異様で面白い。
@pub99: ラストがちょっと絵が先行し過ぎているかな。あと書き換えられた人々の書き換えられたなりの自意識を見たかったけど、「僕」から見た物語としてはこれでいいのかなあと。そこらへんの齟齬と「彼女」が壁をぶっ壊しに行った決意とがあるとより感情が高ぶったと思うけど冗長になるか
@pub99: NOVA10所収「ぼくとわらう」読了。+1。ライフログにより全てが記録される近未来、ダウン症の青年が自伝を書くために過去に出会った人々に会いに行く――。記憶だけではなく感情も外部から想起するというある種イーガン後のネタをダウン症の自意識の想像の下書くという組み合わせは興味深かった
@pub99: あとなんだろ。記録の射出とかミ○ムとか『最果てのイマ』好きにはお勧め
@pub99: NOVA10所収「(Atlas)2」読了。0。刻一刻と変容する世界で一視線からの写像を記録する地図作成者の「僕」は連続的に殺人されるようになったーー。一視線の統合による世界の齟齬を突き詰めてスプラスティックに書いた逸品。
@pub99: エロゲでもできそう
@pub99: NOVA10所収「ミシェル」読了。+1。『虚無回廊』に出てくる科学者ミシェルをメインキャラクターにし、小松左京の各作品をリンクさせて前日譚を書いている。非常に出来のいいラブレター。
@pub99: あえて新しいSFに組み込まないあたりは墓標なのかなーとも思ったけども
@pub99: これでNOVA10読了。満足の行く短編集だった。3本好きなのをあげるなら「地獄八景」「かみふぁみ」「(Atlus)2」。