ネタバレはたぶんしていません。
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月姫リメイクまだーと言い続けて早10年以上――って真逆本当に10年以上待つとは思いもせず。twitterの記録にあるだけでも2010年10月15日に呟いていたりします。
海月姫という単語を見ると月姫に反応してしまう。リメイクまだー
— ぱぶ (@pub99) 2010年10月15日
あと同じくらいの時期にDDD3を求めていて、
DDD3まだー
— ぱぶ (@pub99) 2010年8月5日
今なお求めているとはちょっと予想だにしていませんでした。
それはそれとして、とうとう発売されたのです、月姫リメイク――表の物語だけと知った時には、はははこやつめと思いましたが。
自分のプレイ時間は2021年8月27日の夕方から初めて30日夕方で全てのエンディングをコンプリート。特に27-29は最低限の日常の諸々以外はしなかったにも関わらず、それでも終わらなかったので、まず量がとんでもありませんでした。
質も当然素晴らしいものでした。
奈須きのこの文章を浴びるように読めるだけでもう感涙の一言。
忘れえぬ憧憬が報われることの幸せさよ。
だってかつて18歳の多感な日に触れて惚れたのです。
こんやはこんなにも
つきが、きれい―――だ―――
から始まり、
おまえが私の「死」か
違うところがあるとすれば、それは一つだけ ―――今度は、帰ってこれない
などなど、チュウニ心を燃え上がらせて一生残る瑕をつけてくれた名調子の数々こそが月姫への愛を忘れない大きな大きな要因で。
そこからアップデートされた文章と、隙をなくして心を踊らせる展開とで、シナリオはエンタメとして強度がだだ上がっていました――ただまあチュウニ的スピリッツは結構落ちていたけれども、それはトレードオフで、もう戻らぬかつての煌めきです。
画はやはり素晴らしかったです。デザインがオリジナルからそれなりにチェンジしていますが良質な変更になっていました。
ミニスカになったアルクは気を抜くと絶世の美女の硬質な横顔をのぞかせますし、シエルはヒロインとしての格がビジュアルだけでも何段階も上がっていました。
また差分が豊富過ぎるほど豊富なのですが、折に触れて繰り出される衣装替えも艶やかでした。もはや変身美女戦士と化したアルクがほんと惚れ惚れするっぷりを見せてくれます。
いやほら月姫の眼鏡ヒロインの座は――アルクがもらってしまったと言っても過言ではありません。
あと個人的に重要視していた、ビジュアルノベルとしての画面効果/エフェクト/スクリプトですが、頑張っていました。効果的に魅せようとして、魅せるものになっていました。
ただ「魔法使いの夜」のような一品物の際物には流石にいってなかったかなという感じです。あの魔法のような手さばきでこの名シーンを観たいという欲求が所々で湧き起こってしまいました。
たとえばそう、宙を舞う白い吸血鬼の姫にもっと見惚れたかったですし、志貴の体捌きナイフ捌き、アルクの人型を用いた人外の動きに見惚れたかった。
や、ほんと頑張っていたのは確かです。
初めて夜にアルクを直死の魔眼で視るくだりとか、シエルルートのラストバトルのビルを飛び回るくだりとか、非常に良く出来ていました。
でもまほよからのアップデートを見たかったなあというのが贅沢な戯言です。
さて、まだネタバレ禁止期間なので、中身に関してはまた後日。
以上。傑作でした。裏の顔を、早く―――
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