Garden 星野絵里香新ルート雑感

 初回版の発売日は2008年1月25日で、2008年5月に竜胆愛シナリオが追加されてver2となりました。そこから1年半空いて、今回絵里香新ルートが追加されver3と待望のメジャーバージョンアップとなりました。……メジャーバージョンアップとかさっぱり褒められたもんじゃないですが、作品がもともと構想された形で完結しつつあるのは喜ばしいでしょう。
 瑠璃シナリオに深刻な問題点があったとかで次回のパッチはまた先になりそうですが、わくわくいらいらいらしながら待つことにします。

 
 それでは絵里香新ルートの感想を簡単に書きますが、他の方には全く参考にならないことを承知の上でどうぞー。あとネタバレしてますのでご注意を。



 取り敢えずは「そうか、これが望んだ形なのかー」という感じ。質は当然のように高かったのですが、その発揮され方にぶっ飛ばされました。


 まず二人の関係について。

 ――幸せになって。

 幸せに、なれた――?

 絵里香ルートと言うことで涼(主人公)と絵里香がひたすら幸せになるために駆けて行くのですが、プレイを進めるにつれてこの二人の物語は見て良いものなのか疑問に思えてきました。見ているこちらが照れるという微笑ましいレベルを超えて、いやもう内面はいいから幸せになった姿を外から眺めたいとなった訳です。どうしようもない傷の痛みに転げ回って、逃げて逃げた先に出会った受け入れて受け入れられる甘さに蕩ける――そんな彼らの姿はあまりにも無防備過ぎました。あっぴろげに悩んで、エッチして、漏らして掴んだ幸せは彼らのものでしかありえず、彼らの幸せ自体を共感することも身近に想像することも私には不可能で、にも関わらず全てを知ってしまった居心地の悪さといったらありません。何故今自分はこの物語を読んでいるのか疑問に思えてしまう程どうにもこうにも逃げ場がありませんでした。単純に、祝福するのが正しいのでしょうが、なんとも。


 えーと、自分語りになりかけているので修正。新絵里香ルートは旧ルートと素材は一緒なのですが、シナリオの印象は上記で触れたようにがらりと変わっています。
 具体的にはエロシーン。在りきたりなエロゲの流れだとヒロインと結ばれる→エロ→トラウマ出現&解決→より強く結ばれてエロで確かめる→endとなるでしょうが、このルートはそんな甘っちょろいものではありませんでした。これはもう見てもらうしか無いのですが、恋愛感情も悩みも溜めとなってエロい行動での解決に奉仕しているような感がありました。涼と絵里香は体と体を触れ合わせておしっこしながら、幸せに向かっていきます。昇っていくのか、落ちて行くのかは知りませんが。エロシーンは心情描写であるという至言がありますが、まさにその通りでした。
 ぴったりな言葉は性交渉かと。


 そんな重要なエロ描写なのですが描写自体はぶっちゃけドン引きでした。ねっとり長々と描かれ過ぎています。旧版まではしゃーしゃーと可愛いものでしたが、今回はぐちょぐちょです。スカトロに足を半歩踏み入れながら暴れまくっています。容赦なく濡れまくり、突っ込みまくり、出しまくります。
 それに涼くんの嗜好が駄々漏れでした。ロリコン度合いが著しく酷くなっています。折に触れて毛が生えていないとか乳が膨らんでいないとか幼児的なものに発情し、僕ってだめだなあと反省しながら、これが自分だし絵里香の体が幼児性を満たしているんだから治さなくて良いよねと受け入れて行きます。重ねて言いますが受け入れます。なんと。
 しかしここまでエスカレートして今後どうするのでしょうかねー。流石にスカトロ分水嶺を超えはしないと思うのですが、超えてしまうととどの詰まりまで行ってしまいそうです。スカトロの先にあるのは食い愛しかないと思うんですが。まあまとめれば杞憂です。


 付け加えるならば重要なサブキャラの存在感が一層強まっていました。
 彩ちゃんは受容する人物として深みを増していました。「こんなこともあろうかと」とか宣って、薬を常備とか凄い。何を妄想していたのか考えるとわくわくしますね。あと混ぜてと冗談めかして言ってくる破壊力はトンデモなかったです。
 千夏の思い出が保管されているのですが――やはり、おしっこでした。しかも宣言されます。

 「(略)そういうこと言ってると将来おしっこにまみれて死ぬんだからね!」

 どういうシチュエーションだったかは推して知るべし。


 不遇を託したのは春日姉妹です。ほぼ影も形も出てきません。残念。しかも春日姉と初めて出会った場所が涼にこう言われてしまってます。

 …なぜこんな、なんの役目も果たさない場所が存在し続けているのだろう。

 これはひどい
 旧ルートでもあったかもしれませんが、記憶に残っていません。ひょっとしたら改訂による状況から滋味深さが出てきたのかもしれません。


 緑の髪の先輩はどんまい。 


 伏線らしきものもちらほら追加されていましたので、機会があればまとめてみます。
 

 以上。エロシーンが心に重過ぎる怪奇なイチャイチャシナリオの光臨です。初めに述べたように瑠璃シナリオは渇望しているのですが、書き直しがこうなのですからグランドフィナーレになるだろう内容がどうなってしまっているのか戦々恐々ともするようになってしまいました。どうせ質は高いんでしょうが……うーん、怖い(笑

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