ライトノベルで最も好きな1冊――『COOLDOWN』について

 Twitter上で#推しのラノベ1作だけ選べというハッシュタグがいっとき流行りました。
 好きなシリーズは多々あります。ブギーポップ終わりのクロニクル、A君(17)の戦争、シュピーゲルシリーズ、タイム・リープ、ケイオスヘキサ、イリヤの空 UFOの夏、猫の地球儀ロードス島伝説、などなど。少なくとも20本の指では足りません。どれが一番好きかとか一晩かけても決まるものではありません。
 しかし、ただ1冊、1冊だけ好きなライトノベルを選ぶとするとと何かと考えれば、全く疑う余地がありませんでした。


 思い出補正でというか、思い出補正を込めに込めて、この作品となります。


 

COOLDOWN (電撃文庫)
COOLDOWN (電撃文庫)
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伊達 将範
メディアワークス
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 『クールダウン』という題名のこの作品、ジャンルはアクション。
 出版されたのが1999年7月10日であり、14歳の夏に手に取りました。創竜伝でオタク的な小説に親和性を持って中学生に入り、ブギーポップ VSイマジネーターから電撃文庫を知り、イラストレーターの緒方剛志繋がりで購入した覚えがあります。


 中身は、高校校舎をテロリストが占領し、ネジの外れた主人公がただ一人で対抗する、というもの。
 たまたまサボって屋上にいた主人公が、ふと気づくと触れると爆発する仕組みに囲まれ学友が体育館に閉じ込められていた。校外に逃げることは出来ず、外への通信手段も途絶された。自由に動けるのは主人公のみ。重装備かつ異常な体質の敵に、校舎にあるもの、文房具、ボウガン、ナイフ、理科室のガスなどで対抗する――
 そしてアクションを彩る、ささやかな純情なボーイ・ミーツ・ガール。
 

 純度1000%、これ以上ない中二病の産物です。
 こんなものをいたいけでアホウな14歳が読んで転げない筈がなく。以降、見事ライトノベルの沼へと陥りました。そしてどう考えても、まだ抜けきれていません。
 それが幸せであったかどうかは知りませんが、培ってきたエンタメに関するメンタリティの基盤にもなったこの小説に会えていなかったらと想像するとぞっとするところもあります。そういう作品は誰にとってもきっとあるでしょうが、ぼくにはこの作品であったということになります。