佐倉千代が意を決して告白しようとしたお相手の野崎くんは男子高校生にして少女漫画家で、早速家に連れ込まれてベタ塗りをさせられてしまう――
のんびりしているけど図太いヒロインの佐倉千代と武骨で鈍い少女漫画家の野崎くん、また花を散らすエフェクトとか小物担当のイケメンの御子柴くんや背景担当の堀先輩達やらが騒がしい日常を描く群像劇のコメディ。
アニメ化しているのは知っていましたがここまで読んだことがなく、最近シリーズ一気読みしてその面白さに笑いに笑って涙がちょちょぎれた次第。
いや、ほんと面白い。
少女漫画のネタにするために日常に少女漫画的お約束を生み出そうとするけど素で振る舞う方がドキドキしたとか、少女漫画家や手伝い同士だと知らないからこそ生まれる勘違いネタとか、15巻まで読んでも飽きないギャグの数々。巻を重ねて人物が増えていき、接点がなかったキャラたちを絡ませて生み出される意外なシナジー。今度はどんな風に笑かしてくれるのか、ストーリー物ではないのですが先を読むのが楽しみでしょうがありませんでした。
そして偶にただようラブ臭がラブコメスキーとしては堪らないんですよ、これが。
メインキャスト級の面子が少女漫画のお約束をメタで踏まえながらラブコメをいたしていく様はそれはそれでによによによによ出来るので大好物、ありがとうございますという感じなのですが、サブキャラでおおっというのをぶっこんでくるのもまた趣深く。
たとえば11巻できっぷのいい女子大生が友人のように見える彼氏を隣にして友人たちに本当に付き合ってるー?と揶揄われて曰く、
(11巻、kindle No.96)
そしてこれからの2人の反応がですね! 最高なのですよ!!
なお個人的な一押しカップリングは若杉×結月。
メインの佐倉と野崎くんも捨てがたいのですが、この2人の関係性が最高に萌えました。
乱暴者にして傍若無人で恐れられながら、しかし合唱部では天使の歌声からローレライと称される結月。彼女に気に入られてしまった犬系の後輩・若杉のしいたげられる明日はいずこに――という感じなのですが、若杉がローレライの顔を知らず歌声だけにはぞっこん惚れていて、結月の横暴さに辟易しながら彼女にローレライの良さを語り、その語りに結月がいい気分になるみたいな。
この捻じれが凄い良いんです、ええ。
あとミームだけ知っていたこれが
(6巻、kindle No.137)
野崎くんを指していて、本当に何も考えていなかったとは知りもしませんでした(笑)
以上。コメディ系ではマイベストクラスに狂おしく好きとなりました。今度アニメも観てみますかね。
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