あそびあそばせ 13 雑感

 遊び人研究会に属する女子中学生たちがゲッスくてブラックなギャグを飛ばしながら箍の外れた顔芸を見せるイカれたコメディシリーズ。
 これまで巻を12も重ねてきて、ゲッスくてブラックな女子中学生コメディという基本路線は変わらないものの、次第にキャラが増えて関係性も乱れてきて、百合色が強くなってきているというのが現状のところ。
 その百合の色も単純に明るい惚れたはれたではなく、どこかしら落ち着かない不穏で人の心の端っこを苛む系統で、嫌な笑いが巻き起こっている紙面のふとした瞬間に挟まれるので実に美味しい味付けなのです。
 全体的にこう、このまま好きにやれ!と大いに応援しているシリーズと紹介させてください。

 さて、この13巻においてもテンションの衰え何それという感じでした。
 脳が露出した生首に刃物をぶっ差して刺激を与えて生前の映像を描写させる1編で始まったかと思えば、悪霊に取りつかれても見放さないよねと友情を確かめるために悪霊にわざわざ取りつかれてすぐ除霊しようとしたり、ひどい話だなあと楽しめました。
 それにしても最高だったのが最後に収録された119話「Frendsの解剖」。
 裸の上から臓物スーツを着て検視ごっこする百合――という素晴らしいものをみせてくれました。

 
   (あそびあそばせ 13、kindle No148)

 右側のコマの輩は覆面をかぶっていて、まあかなり頭のおかしいキャラなのですが今はそれは置いておきましょう。
 肌を、吐息を、生きているその美しい体を死に見立てる――幸薄い美少女キャラの疑似的な死を確認し、メスをいれていく流れがね、非常に滾るんですよ。

 
   (あそびあそばせ 13、kindle No149)

 いやー、このあたりの穏やかじゃ無さは見てもらうしかないんじゃないかと!
 そこからの内臓スプラッタギャグもまたならではでしたしシリーズ屈指のエピソードでした。


 以上。合う人にはこれ以上なく合う際物なので、是非一読を。

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