図書館列車

 ジャンルはノベルで、制作は活動漫画屋。

――ようこそ。我が図書館列車へ!

 図書館列車とは、循環列車で厳選した本を持った司書が束の間の読書という時間を提供するものです。その図書館列車に関わった人々は悩んで、傷付きます。
 例えば、主要人物の少年は何がしたいか、どうすればいいかに悩み、家族との関係に悩みます。
 また少女は学校での人物関係に悩み、恋愛に悩みます。
 彼らは、司書の導きや、薦められた本(ブルース・リーには笑いました)の助けもあって、徐々に成長していくというのがメインストーリー。
 “助け”と書きましたが、『奇跡なんて起こらない、変えていくのは自分』、という骨格は変わらず、真っ当な見識を噛み砕けているからこそ、成長物として極めて健全です。


 そして、

「じゃあな。布施」
「ああ。次に会うときは日曜朝のヒーロー番組だな」

――友情。

「さっきなに見てたの?」
「ああ、なんか変な気持ちだなーってね」

――社会への船出。

「お世話になりました」

――別れ。


 ジュブナイルとしてのありとあらゆる要素を含んで、物語は終わります。
 疲れた時や欝な時の一服の清涼剤として効きそうです。

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 OHP-人形城奇譚